研究課題/領域番号 |
03J09620
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
遺伝
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
長谷川 麻里 (黒岩 麻里) 北海道大学, 先端科学技術共同研究センター, 講師
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 遺伝子量補正機構 / 性染色体 / 不活性化 / 鳥類 / Z染色体 |
研究概要 |
鳥類の性染色体構成は雄がZZ型、雌がZW型であり、雌雄間で異なる性染色体構成をもつにもかかわらず、鳥類には遺伝子量補正機構は存在しないと考えられてきた。申請者は、鳥類と同じ脊椎動物である哺乳類の補正機構に着目し、哺乳類の雌のX染色体にみられるような不活性化がニワトリの雄のZ染色体に生じているかを検討した。ニワトリ16系統を用いて、Z染色体上のB4GALT1とCHD-Z遺伝子の3'側非翻訳領域に存在する塩基配列の多型を検出した。多型が検出された系統間で交配を行い、F1雑種15日令雄胚を採取し、単一細胞由来のコロニーからcDNAを得た。B4GALT1遺伝子は制限酵素処理によるDNA切断パターンにより、また、CHD-Z遺伝子についてはSNuPE法により、各遺伝子のアレルノ発現様式を確認したところ、どちらの遺伝子も両アレルが発現していた。よって、本研究で用いた2つの遺伝子は、不活性化を受けていないことが示唆された。さらに不活性化を受けていないと示唆されたB4GALT1とCHD-Z遺伝子の発現量を、real-time PCR法を用いて雌雄間で比較した。その結果、B4GALT1遺伝子は雌よりも雄の発現が高かったが、CHD-Z遺伝子は両性間で同等の発現量を示し、補正を受けていることが示唆された。以上の結果から、Z染色体には不活性化が生じておらず、鳥類は進化過程において独自の補正方法を獲得し、その機構に関与する未知の遺伝子群が存在する可能性が考えられた。
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