研究課題/領域番号 |
03J10059
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
計算機科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
中澤 仁 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科, 専任講師
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ユビキタス空間 / サービス統合 / ミドルウエア |
研究概要 |
本研究では、ユビキタス空間融合モデル、ユビキタス空間同士のネットワーク接続技術、および協調のための情報機器統合利用技術を構築し、空間同士が融合された近未来志向ユビキタス計算機環境で重要となる応用事例を提案する。本年度は調査基礎課題として、単一のユビキタス空間と、複数のユビキタス空間を相互接続した融合ユビキタス空間における、人間の行動、情報機器の動作、ソフトウエアの動作の各観点から、本研究の論理的枠組みとしてユビキタス空間融合モデルを導出するとともに、開発評価課題として、同モデルを実現する要素技術を開発し、性能測定に基づいたソフトウエアの最適化を行った。 調査基礎課題では、人間と機器を空間内に存在するエンティティとして基本的に同一のモデルで表現し、エンティティ同士が空間を跨って協調する際のセキュリティ、空間間の移動に対する動的適応等を包含した融合ユビキタス空間モデルを構築した。具体的には、空間間の位置関係、エンティティ同士の所有関係や位置関係を表現できる木構造を構築し、木構造中のノード間の関係に基づいてエンティティの発見やそれらに対するアクセス制御を行うミドルウエアシステムを構築した。 開発評価課題では、複数のユビキタス空間を接続して一つの融合空間を構築し、その中で分散したエンティティ間の協調を実現するために、空間同士を相互接続するための技術と、エンティティ同士の通信を実現するためのミドルウエア技術を開発した。本研究では、前者を動的オーバーレイネットワークとして、後者を大規模広域分散サービス統合ミドルウエアとして実現した。動的オーバーレイネットワークは、人間の要求に基づいて複数のユビキタス空間を相互接続するミドルウエアである。同ミドルウエアでは、IPマルチキャストデータグラムのトンネル構築機構、ユビキタス空間間でのアプリケーションレベル経路制御機構、および帯域調停機構を提供する。大規模広域分散サービス統合ミドルウエアでは、調査基礎課題で提案した木構造に基づいたエンティティの名前付けや位置管理、アクセス制御を行う。同ミドルウエアでは、融合ユビキタス空間内のディレクトリ機構、既存の様々な通信プロトコルを柔軟に使用できるメッセージ送受信機構、木構造の変化を通知する適応機構を提供した。さらに、これらのミドルウエアに関する基本性能の測定実験を行い、その結果をフィードバックしてソフトウエアの最適化を行った。
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