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ユリアヌスの宗教復興構想の形成と後期ローマ帝国におけるその受容

研究課題

研究課題/領域番号 03J10219
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 思想史
研究機関東京大学

研究代表者

高久 恭子 (中西 恭子)  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2003 – 2005
研究課題ステータス 完了 (2005年度)
配分額 *注記
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード古代ローマ史 / 新プラトン主義 / 宗教史 / 宗教思想史 / ヘレニズム / 初期キリスト教史 / 儀礼論 / 教父研究 / 古代ローマ宗教 / 古代ギリシア・ローマ思想史 / 宗教的寛容と共生 / 古代ローマ宗教史 / 西洋古代思想史 / 初期キリスト教史・教父研究 / 儀礼研究 / 古典学史 / 倫理思想史 / 宗教哲学
研究概要

今年度は学位論文の完成に向けて作業を行った。
7月にオーストラリア・カトリック大学メルボルン校で開催された西太平洋教父学会でキリスト教著作家から見たユリアヌス像の概要について口頭発表を行い、8月にオクスフォード大学ボードリアン図書館で資料調査を行った結果、新たな課題が明らかになった。
キリスト教著作家の著作にみられるユリアヌス像については、その資料の性質と目的に応じて、彼らの理想とする「正しい宗教」から逸脱した存在としてユリアヌスが描かれていることは確かだが、「背教者」像の描かれ方には史料の目的に応じて大きな差異がある。ナジアンゾスのグレゴリオスやアレクサンドリアのキュリロスの『ユリアヌス駁論』のような著作家個人の思索を深めるための論考、ヨハネス・クリュソストモスの著作に代表される特定の教会共同体の一般信徒を聴衆に想定する講話、ソクラテスやソーゾメノスの『教会史』を代表とする歴史叙述、それぞれの叙述の特徴と5世紀までの時代的変遷を検討したが、背景についてはさらに考察が必要である。
また、ユリアヌスの宗教思想に大きな影響を与えた新プラトン主義者、イアンブリコスの祭儀論の実態を検討する必要が生じた。近年の新プラトン主義研究の隆盛を背景に、ユリアヌスを「新プラトン主義的一神教徒」とする見解が主流になりつつあるが、実際のユリアヌスは都市共同体を支持基盤とする伝統的な多神教祭儀を推進したのであり、必ずしも「一神教徒」という指摘は的確ではない。イアンブリコスの祭儀輪には「宗教的熟練者の技術」と.しての神働術を称揚する秘教的な側面は確かに存在するが、一般の人々と神々の交流の手段としての伝統的多神教祭儀の存在意義をむしろ肯定している。それに加えて、イアンブリコスの祭儀論の政治的側面に注目し、ユリアヌスの儀礼論と比較する必要がある。さらに研究を深め、学位論文を来年度中に完成させる予定である。

報告書

(3件)
  • 2005 実績報告書
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2005 その他

すべて 雑誌論文 (4件) 文献書誌 (7件)

  • [雑誌論文] ユリアヌスの「敬神」2005

    • 著者名/発表者名
      中西恭子
    • 雑誌名

      新プラトン主義研究 5(編集中)

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] (翻訳)徴を読む-旅路にある共同体2005

    • 著者名/発表者名
      R.ハーデン=ウィーバー, (中西恭子 訳)
    • 雑誌名

      インタープリテーション 日本版 73(印刷中)

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] (翻訳)ある異端者の生涯・アンティオケイアのセウェロスの場合2005

    • 著者名/発表者名
      ポーリーン・アレン, (中西恭子 訳)
    • 雑誌名

      パトリスティカ 9(編集中)

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] (書評)大貫隆他編『グノーシス 陰の精神史』 同編『グノーシス 異端と近代』2005

    • 著者名/発表者名
      中西恭子
    • 雑誌名

      宗教研究 78-2

      ページ: 450-462

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [文献書誌] 中西恭子: "帝政後期ローマの太陽神"太陽神の研究(下)(松村・渡辺編). 170-182 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 中西恭子: "『神々にあふれる世界』訳者解説"ホプキンズ(小堀・中西・本村訳)神々にあふれる世界. 下. 305-315 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 中西恭子: "ユリアヌスの『敬神』"新プラトン主義研究. 4(編集中). (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 中西恭子(The Frazer Projectの研究代表者として): "『金枝篇』以前-古典学者としてのフレイザーとその時代-(「『金枝篇』序説」の第2章として)"猿田彦フォーラム年報「あらはれ」. 6. 78-86 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 中西恭子(The Frazer Projectの研究代表者として): "フレイザーの影響圏と現代におけるその再評価の可能性(「『金枝篇』序説」の補論)"猿田彦フォーラム年報「あらはれ」. 6. 93-95 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 松村一男, 渡辺和子編: "太陽神の研究(下)"リトン. 356 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] キース・ホプキンズ(小堀馨子, 中西恭子, 本村凌二訳): "神々にあふれる世界(上・下)※第3-7章、訳者解説を担当"岩波書店. 325, 320+29 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書

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公開日: 2003-04-01   更新日: 2024-03-26  

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