研究課題/領域番号 |
03J10227
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
美学(含芸術諸学)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
日高 優 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | アメリカ / 民主主義(デモクラシー) / 写真 / イメージ / 映像文化 / 現代社会 / 美術館 / メディア / 表象文化論 / 映像文化論 / アメリカ文化 / 民主主義 |
研究概要 |
研究実施計画に基づき、第二期(大恐慌の影響下にある30年代から50年代まで)について、民主主義と関わるアメリカ写真における中心的トピックとして、主にウォーカー・エヴァンズの仕事の位置づけ、及び<人間家族>展の再評価のための基礎的調査・研究を行った。エヴァンズの仕事に関しては、とりわけ弱者や普通の人々を「発見」する装置として写真を機能させた写真家の眼差しに注目し、民主主義の「主体」たるべき人々を可視化させるメカニズムとそのイメージについて分析した。政治的コノテーションを否定する写真家自身の発言やスタティックなイメージの質からエヴァンズの写真は美学的観点から考察されることが多かったが、題材はしばしば貧困だとか一般人の生活などの社会的を扱い、その直截さと斜めからの戦法を明らかにすることができた。エヴァンズは写真家として美術館入りした最初期の写真家で、美術館制度における写真部門の成立過程と写真イメージの与える社会的影響力の増大については、去る6月6日、アメリカ学会「文化・芸術史」部会において研究成果を口頭発表した(「言説牽引装置としての美術館--ニューヨーク近代美術館と写真」)。<人間家族>展に関する資料は開催美術館であるニューヨーク近代美術館図書室等へ赴き資料収集を行った。プレス・リリースなど現地でしか入手できない資料を多数収集した。資料を整理・分析し、同展は冷戦構造下のプロパガンダが成功したものにすぎないという通例の見方で片付けるのではなく、その背後の錯綜した複雑な権力構造、民主主義という言説の力とイメージの影響力を解析する準備に供することが出来た。
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