研究課題/領域番号 |
03J10348
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山口 哲 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 弦理論 / Dブレイン / 超対称性 / 超重力理論 / 共形場理論 / AdS / CFT対応 |
研究概要 |
曲がった時空上の弦理論について次のような二つの方向からの研究を行った。 一つは、AdS時空中のブレインと、共形場理論中の共形対称性を壊さない欠陥との対応についてである。このような対応を調べることは弦理論における「開いた系」の性質の理解を進めるために非常に有効なものである。従来、この対応におけるAdS時空中のブレインとしては内部空間が球面のもののみが考えられてきた。これに対してもう少し一般のブレインの内部空間を考え、これが超共形対称性を壊さない条件を求めた。結果として内部空間のブレインの形が「特殊ルジャンドル部分多様体」と呼ばれるものであれば超共形対称性を壊さないということがわかった。このような非球面内部ブレインの例としてトーラスの内部ブレインがある。今年度はこのようなトーラスの内部ブレインから球面内部ブレインへの繰り込み群の流れが存在することを示した。今後これらのブレインと欠陥のある超共形場理論を調べることにより、弦理論と場の理論の対応、特に超対称性が比較的少ない場合の対応についての理解が深まると期待できる。 もう一つは、曲がった時空のうち「平行化可能」と呼ばれる時空についての研究である。平行化可能とは、ねじれを入れたときに曲率がゼロになる時空であり、このような時空上の弦理論は、曲がった時空の中では比較的取り扱いやすい。II型の弦理論でNS-NS場のみある背景、およびhetero弦理論の背景について平行化可能な背景を完全に分類することに成功した。またこれらの背景に残っている超対称性についても調べた。今後これらの弦理論の背景を調べることにより、曲がった時空中の弦理論特有の性質が理解されると期待できる。
|