研究課題/領域番号 |
03J10719
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
国文学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
今井 上 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 源氏物語 / 古今和歌集 / 朝顔 / 和歌 / 散文 / 韻文 / 場面 / 平安朝文学 / 漢詩文 / 和歌研究 / 歴史学 |
研究概要 |
源氏物語の登場人物の一人、朝顔姫君の結婚拒否をめぐってはこれまでもさまざまの議論が行なわれてきたが、それが光源氏の「心変わり」をおそれてのものであったことを、物語の緻密なよみとりによって明らかにする。人の心変わりの主題は源氏物語にだけ見られるものなのではなく、古今和歌集以来、よみつがれてきた平安朝文学固有の問題なのであり、古今和歌集から源氏物語へと受け継がれた文学的伝統を析出するとともに、朝顔の花というものが、古今和歌集や源氏物語、漢詩文において、それぞれどのような象徴性を帯びていたかを明らかにする。 また第二に、源氏物語に織りこまれた作中和歌がいかなる意義をもち、作品世界の形状にいかに関わっているかを明らかにした。物語中の作中和歌が物語の局面ひとつひとつにおいて果たす役割をその展開に即して明らかにすることの必要性を説き、従来もさまざまに論じられてきた。源氏物語朝顔巻の和歌について新見を提示する。この物語の内の和歌を単に作中人物の心のあらわれと見るだけでは不十分なのであり、「場面」をつくり出してゆく為の和歌というものが源氏物語の内には数多く含まれている事実を明らかにした。例えば源氏物語の作中和歌の意義として、散文部分では語られることのない人物の心情を和歌が明らかにするということが言われるが、そうした散文を韻文を対立的に据える姿勢は実態に即したものでないことを実例にもとづいて論じ、源氏物語における散文と韻文の意義について解明した。
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