研究課題/領域番号 |
03J10982
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
気象・海洋物理・陸水学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
東塚 知己 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 季節変動 / 大気海洋相互作用 / エルニーニョ / 南方振動 |
研究概要 |
本年度は、新しい視点(エルニーニョ・南方振動(ENSO)は、季節的な海盆スケールの大気海洋相互作用現象であるAnnual ENSOモードと経年的なENSOに伴う大気海洋結合モードであるInterannual ENSOモードの相互作用の結果)から大気海洋結合モデルの200年積分の結果を調べた。 まず、200年間の計算結果から作成した月平均気候場を用いて、季節的な大気海洋相互作用現象の再現性を調べた。その結果、正のフェーズのAnnual ENSOのトリガーとなるペルー沖の古典的エルニーニョに加えて、東太平洋赤道域の海面水温偏差の西進、及び、北緯5度に沿った海面高度偏差の西方伝播は、よく再現されていることがわかった。しかし、観測データに見られるような東太平洋赤道域の海面水温偏差の赤道の北側への拡大や赤道上を西方伝播する東西風偏差と北緯5度付近を西方伝播する海面高度偏差の間の共鳴は、再現することができなかった。これらは、正(負)の海面水温偏差が赤道の北側へ拡大しようとする時期に、観測に見られない強い湧昇(沈降)ケルビン波が侵入してくるためであることがわかった。 次に、季節的な大気海洋相互作用現象とENSOの関係を調べた結果、エルニーニョに伴ってAnnual ENSOの振幅が、最大で0.2℃変化していることがわかった。これは、統計的にも有意な振幅の変化ではあるが、その強度は観測値の約15%程度に過ぎない。特に、赤道域での振幅の変化が弱いのは、季節的な大気海洋相互作用現象に伴うアノマリーの北進が、結合モデル内ではうまく再現されず、赤道上で最も強いシグナルを持つInterannual ENSOモードとの相互作用が弱すぎるためである。したがって、Annual ENSOを結合モデル内でより良く再現することが、ENSOそのものを再現する上で非常に重要であることが明らかになったと言える。
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