研究課題/領域番号 |
03J11486
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
遠藤 珠紀 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 日本中世史 / 暦 / 官司運営 / 藤原定家 / 修理職 / 外記局 / 紙背文書 / 具注暦 / 年中行事 / 情報 / 政務運営 / 外記 / 陰陽師 / 内蔵寮 / 中世 / 朝廷 / 実務官人 |
研究概要 |
本年度は「中世朝廷の政務運営と実務官人」の三年度目に当たる。まず朝廷諸官司の運営、儀式の運営という視点から研究を進めた。朝廷諸官司は大きく(1)文書行政を担当する実務官司、(2)暦道などの特殊技能を持つ技術官司、(3)大きな経済力を必要とする官司に分類できると考えられる。本年は(1)の代表的官司とされる外記局、その運営に大きな役割を果たした中原・清原両局務家の成立期である一一世紀〜一二世紀の状況を検討した(「「官司請負制」の進展と下級官人」歴史学研究会日本古代史部会二〇〇六年二月例会において口頭報告)。また(2)の代表として朝廷の発行する具注暦を独占的に作成した賀茂氏の検討を行なった。その成果は「鎌倉期における暦家賀茂氏の変遷」(『鎌倉遺文研究』一五号、二〇〇五年)として発表した。次に(3)として修理職・内蔵寮の鎌倉期から室町期の運営体制の変化を、中世全体の変化を見通す中で考察した(「鎌倉期朝廷社会における官司運営の変質」『史学雑誌』一一四-一〇、二〇〇五年)。これらの検討の結果、中世の官司には「知行者一年預」というラインによって運営される「知行官司制」が存在した事を指摘した。 二点目として、日本中世の古記録の性格を検討するため、紙背文書に注目した。鎌倉初期の『明月記』の料紙には記主定家の許に届いた書状などの紙背が、反故として使用されている。これらの反故の中には日記本文と深い関係を有するもの、また日記にははっきりとは現れない当時の生活がほのみえるものなどが存在し、古記録の性格を探る上でも重要である。殊に嘉禄期は定家の家にとって重要な時期であり、注目される。その検討結果は「嘉禄期の藤原定家」(『明月記研究』一〇号、二〇〇五年)として発表した。また先年に続き中世朝廷社会における「家名」について検討を行った。
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