研究課題/領域番号 |
03J50091
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山ノ内 路彦 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 強磁性半導体 / ガリウムマンガン砒素 / 電流誘起磁壁移動 / 電流注入磁壁移動 |
研究概要 |
今年度は、強磁性半導体ガリウムマンガン砒素における電流誘起磁壁移動の機構を調べるために、面直方向に磁化容易軸をもつガリウムマンガン砒素において、電流誘起磁壁移動速度の電流密度依存性および温度依存性を測定し、現在提案されている理論との比較を行った。まず、磁壁移動速度を評価するための素子作成を行った。バッファ層として、徐々にインジウム組成を変えたインジウムアルミニウム砒素を用いることにより、転位に起因した表面の凹凸を低減した。幅5μmのチャネルを形成した後、チャネル表面を部分的にエッチングすることにより、面内に保磁力の異なる2つの領域を作製した。磁壁移動速度の評価は以下のように行った。保磁力差を利用して外部磁場により、領域境界に磁壁を配置した後、電流パルスを印加して磁壁を移動させた。磁壁の位置はカー効果偏光顕微鏡を用いて観察した。磁壁が掃引した面積をチャネル幅で割ったものを実効磁壁移動距離d_<eff>と定義し、d_<eff>のパルス幅w_p依存性を測定した。d_<eff>はw_pに対してほぼ線形に変化することが分かった。そこで、その傾きを実効磁壁移動速度v_<eff>と定義し、v_<eff>の電流密度jおよび温度T_a依存性を測定した。v_<eff>はjとT_aの関数で10^<-4>〜10^1m/sオーダにわたって制御可能であり、そのj依存性には少なくとも2つの領域があることが分かった。高電流密度領域(>3x10^5 A/cm^2)においては、v_<eff>はjにほぼ線形に変化し、最高で22m/sの磁壁移動速度が得られた。理論との比較から、この領域の電流誘起磁壁移動機構はキャリアスピンから局在磁気スピンへのスピンのトランスファによって説明できることが分かった。低電流密度領域においては、v_<eff>のj依存性は現象論的なスケーリング則に従い、電流により磁壁のクリープが誘起されていると考えられる
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