研究課題/領域番号 |
03J50391
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
井下田 寛 金沢大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | カシノナガキクイムシ / ナラ枯れ / 東向き斜面 / 日射 / シミュレーション / 林分レベル / ランドスケープレベル / 予想移動方向 / 空間分布 / 林縁 / ギャップ / 林縁種 / 移動 / 光環境 / 風 / 積算日射量 / 走光性 / 風況予測モデル |
研究概要 |
カシナガ成虫の飛翔は夜明けから始まり午前中に終了すること(吉田・布川1994)、成虫は正の走光性を持つことから、成虫が飛翔する時間帯の陽の当たり方が移動に影響しているのではないかと推測した。そこで日射のシミュレーションを行うことによってその仮説を確かめた。その結果、日射のベクトル(斜面に陽が当たり始める方向)は成虫の移動方向と一致していた。この結果から、林分レベルでは、朝の陽の当たり方が飛翔成虫の移動方向を決定する最も重要な要因であることが明らかとなった。ナラ枯れは、尾根沿い(西村正史私信)や東向き斜面で発生しやすいが(小村2004)、これは、朝の陽が当たる尾根沿いや東向き斜面に向かって成虫が移動することが原因と考えられる。 これらの場所はカシナガ成虫が飛翔する時間帯の太陽の陽が当たる場所であることに気がついた。カシナガ成虫は正の走光性を持つことが、朝の陽が当たり始める方向にカシナガ成虫が飛翔する原因と考えられる。したがって、成虫が飛翔する時間帯の日射を林分レベル・ランドスケープレベルで予測することによって、ナラ枯れの被害拡大過程を予測することが可能と考えられた。 カシナガ成虫の予想移動方向から被害の拡大過程を予測する。この理論を支持する準備的な分析結果が得られている。1998年から2000年に、ホスト木の加害履歴を詳細に調べた結果、最初に斜面上方で被害が始まり、その後斜面上を年ごとに下方に広がっていった。この場所の斜面に陽が当たり始める様子を、シミュレーションした結果、陽は斜面上を時刻とともに下方に広がっていた。この日射のシミュレーション結果とホスト木の加害履歴を比較したところ、これらは一致していた。
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