研究課題/領域番号 |
03J50481
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
言語学・音声学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
横越 梓 名古屋大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
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キーワード | 小節 / PredP / 局面レベル述語 / 個体レベル述語 / 小節構造 / 文法化 / 歴史的変化 / 前置詞・不変化詞 |
研究概要 |
英語における小節の構造について分析した。従来、小節の構造に関しては、統一的に分析する試みが多かったが、そのようなアプローチでは説明できない現象が多くある。特に、小節の内部特性にのみ着目した分析では、同じ述部範疇であっても意味により容認に違いがあるという特性や、条件C効果・小節主語の受動化、抜き出し等に関する統語的な違いを説明できない。 上記の問題を説明するため、小節の構造はその内部特性によってではなく、それを選択する主節動詞のタイプによって決定されると提案し、その構造を示した。具体的には、主節動詞をタイプ分けし、considerタイプ動詞は、その小節補部の術後範疇として個体レベル述語を選択するのに対し、wantタイプ動詞は局面レベル述語を選択すると提案した。小節内に機能範疇が存在することを示す証拠が虚辞や遊離数量詞の分布から得られるため、それぞれの小節の範疇はBowers(1993)に従い機能範疇PredPとしたが、上記に示したような意味的・統語的違いが観察されることから、小節主語の位置づけが異なり、considerタイプ動詞の選択する小節では主語がさらに主節へ移動しているのに対し、wantタイプ動詞の選択する小節では主語は小節内に留まると提案した。これにより両小節タイプ間に見られる意味的・統語的相違が説明される。 上記の分析を更に発展させ、知覚動詞の選択する小節補部の構造も提案した。知覚動詞の小節補部の特徴として、意味的にはwantタイプ動詞と同様に局面レベル述語が選択されるのだが、統語的特徴はwantタイプ動詞の選択する小節とは異なるため、上記に示した2つの小節の構造の何れも適用できない。知覚動詞の選択する小節補部に機能範疇Predの存在を裏付ける証拠が無いのでPredは投射しないと結論付け、3つのタイプの小節の持つ意味的・統語的特性を説明できることを示した。
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