研究課題/領域番号 |
03J52011
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
臨床獣医学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
伊東 大介 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | AHSP / EDRF / プリオン / BSE / 転写調節 / GATA-1 / 赤芽球 / 生前診断法 / 品質管理 |
研究概要 |
本研究は、BSE感染スクリーニングの間接的手法開発を目指し、その基盤となるAHSP発現変化の分子機構解明を目的としている。 1.赤芽球系細胞モデルとしてPrP^cとAHSPの両者を発現するMEL細胞を選定し、分化誘導により高率に赤芽球系分化を示すサブクローンMEL hide8を単離した。 2.MEL hide8細胞を用いてマウスPrP^cを大量発現するMEL hide8-MoPrP細胞を作製し、プリオン感染マウス由来脳乳剤またはPrP^<sc>持続感染神経細胞株(ScN2a)存在下に培養し赤芽球系分化誘導を行ったところ、AHSPならびにGATA-1、EKLFなどの赤芽球系特異的転写因子の発現動態に影響は認められなかった。また、同細胞を用いて、未分化前駆細胞にPrP^<sc>が蓄積するかどうか長期的影響も検討した。その結果、対照として用いたN2a-MoPrP細胞にはPrP^<sc>の蓄積が観察されたが、MEL hide8-MoPrPにはPrP^<sc>の蓄積は認められなかった。 3.マウスAHSP遺伝子の5'上流領域2.4kbを単離しMEL hide8細胞でのプロモーター活性を解析した。その結果、赤芽球系分化誘導時には、転写開始点の上流-120から-50bpの領域の存在がAHSPの転写活性化に最も重要なことが判明した。この領域にはウシ、マウス、ヒトで共通にGATA認識配列が存在することから、AHSPの発現にGATAによる転写制御が関連することが推定された。さらにプリオン病関連サイトカインIL-1β、IL-6存在下にMEL hide8細胞を用いて、AHSP遺伝子プロモーター活性を測定したところ、プロモーター活性は減少した。 以上のことから、プリオン感染動物におけるAHSP発現低下には、異常型プリオンが直接に赤芽球細胞の分化に影響を与えるのではなく、サイトカインなどの間接的な因子の関与が示唆された。
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