研究概要 |
本研究者が所属する東京工業大学松永研究室は,学生主導の超小型衛星開発の研究を進め,同分野で世界最先端の技術と成果を出している.本研究室では,2003年6月超小型衛星CUTE-I,2006年2月超小型衛星Cute-1.7+APDを開発し軌道投入に成功している.本研究者は,両衛星開発に携わり,また衛星運用地上局システムを同時に開発してきた.平成16年度までに,最新のInternet技術,XML(Extensible Markup Language)技術を応用し,拡張性,低コスト性などに優れる超小型衛星用地上局システムを提案し開発した.平成17年度は,開発した地上局システムの改良を進め,本研究に関して博士論文のまとめを行った.具体的には,1)地上局システムを世界中から遠隔制御するための時間遅延問題,セキュリティ問題など解決した地上局システムの遠隔制御機能,2)運用担当者の負荷を軽減する自動運用機能,3)世界中の人々,研究者に人工衛星から取得される有益なデータをInternetを介し広く配信する広域配信機能,および4)世界中に地上局を配置し低軌道衛星の可視時間を拡大するための地上局システム分散機能を追加した.更に,本研究室所有の超小型衛星CUTE-I, Cute-1.7+APDを用いて実際に軌道上運用を行い,本地上局システムの妥当性を検証した.本研究は,本研究者が実際に衛星の開発,地上局システムの開発を行い,軌道上実証を含めて研究を進めることで,実利用を高く追求した研究となっている.
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