研究課題/領域番号 |
04041031
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
尾形 健 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (50107471)
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研究分担者 |
浅木森 和夫 神戸女子短期大学, 助教授 (60202579)
伊代野 淳 岡山理科大学, 工学部, 講師 (10211757)
横見 博之 帝塚山大学, 経済学部, 教授 (60029460)
普喜 満生 高知大学, 教育学部, 助教授 (10199177)
柴田 徹 青山学院大学, 理工学部, 助手 (70082831)
宮村 修 広島大学, 理学部, 助教授 (80029511)
岳 鐘二 (嶽 鐘二) 神戸大学, 理学部, 助手 (80030774)
槙田 康博 高エネルギー物理学研究所, 助手 (30199658)
山本 明 高エネルギー物理学研究所, 助教授 (30113418)
荒船 次郎 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (80013415)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
1993年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1992年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 超伝導マグネット / 一次宇宙線 / 高エネルギー核反応 / 一次宇宙線の組成 / 高エネルギー重イオン反応 / 宇宙線観測用超伝導磁石 |
研究概要 |
本研究では、大立体角且つ大容積均一磁場の超伝導マグネットと荷電粒子の位置分解能の優れた測定器(エマルション・スペクトロメーター、プラスチック・ビームテレスコープ)とを連動させた装置によって、カット・オフエネルギーから100TeV/nまでの一次宇宙線の電荷と運動量を測定して従来にない質の良い宇宙線データを収集することを目指している.それによって銀河宇宙線の起源と伝播に関するモデルの検定に必要な十分な統計資料が提供できると考えている. また一方、強力な磁場内で高エネルギー重一次宇宙線が引き起こす核反応を直接観測することによって、生成される二次粒子の電荷及び運動量を知ることができる.それによって生成粒子の粒子相関、揺らぎ、荷電クラスター、運動量解析等の多角的な解析が可能になり、QCDから期待される高温・高密度核物質の解明に威力を発揮するものと期待している. 平成3年より準備に取り掛かり、本年(平成6年)秋に本実験が行えるところまでにこぎ着けた.この実験で使用する装置のうちで最も重要でコストのかかる部分は粒子軌道分析用の超伝導マグネットである.気球に搭載して使用するために、いろいろと厳しい制限が課せられ設計、製作に予定以上の時間がかかった.超伝導マグネットは、超伝導コイルと断熱・冷却系のクライオスタットの二つの主要な部分から成っている.そのうちのコイルの部分はすでに完成していたので、平成4年度は主にクライオスタットの製作に主力を注いだ.気球搭載用超伝導マグネットは翌平成5年3月に組み立てを完了して東芝鶴見工場より納入された.そして高エネルギー物理学研究所において様々な性能テストが行われた. クエンチ試験の後、励磁テストを行ったところ、定格電流520アンペアで設計通りの安定した磁場1.2テスラが得られることが確認された.また液体ヘリウムの消費量(0.51/h)、クエンチ温度(7.0K)から、この超伝導マグネットの持続時間は約200時間であることも確認された.将来、南極周回の長時間バルーンに搭載して観測を行う場合には、200時間を越える持続時間が要求されるので液体ヘリウムの貯液量を増す必要があるだろうが、当面のアメリカ大陸内でのフライト実験にはそれで十分である.以上の地上での性能テストの結果には満足している. 昨年の夏日米の関係者が集まって、超伝導マグネットの受け入れ態勢、バルーン基地の整備、実験のスケジュール等について打ち合わせを行った.その後のアメリカ側の準備の遅れで、平成5年度に行う予定であった超伝導マグネットを実際に気球に搭載しての成層圏での性能、耐久テスト及びそれに引き続いて予定されていた本実験は平成6年の秋以降に延期になった. 現在、地上テストの済んだ超伝導マグネットを、アラバマ州ハンツビルのNASA/MSFCに送り出す準備をしているところである.
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