研究課題/領域番号 |
04041051
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
広岡 公夫 富山大学, 理学部, 教授 (30029467)
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研究分担者 |
TIKU F. インド地質調査所, 国際部, 部長
VENKATA Rao インド地質調査所, ナグプール支局, 主任研究員
瀧上 豊 関東学園大学, 法学部, 助教授 (40206909)
酒井 英男 富山大学, 理学部, 助教授 (30134993)
船木 實 国立極地研究所, 資料系, 助手 (10132713)
酒井 治孝 九州大学, 教養部, 助教授 (90183045)
木下 肇 東京大学, 地震研究所, 教授 (10110347)
K S Murty インド地質研究所, カルカッタ所長, 所長
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
1993年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1992年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | ゴンドワナ超大陸 / マハナディ地溝帯 / ゴダバリ地溝帯 / 白亜紀ラジマ-ルトラップ玄武岩 / 始生代の貫入岩 / 始生代のチャーノカイト / ゴンドワナ大陸 / 古地磁気学 / 年代学 / ラジマール・トラップ |
研究概要 |
本研究では、インド半島の東側、ベンガル湾沿いの地域において、主に古地磁気学的研究を行い、地質学的調査ならびに年代学的研究の成果と合わせて、インドがゴンドワナ大陸の一部をなしていた時代における南極大陸との相対的位置関係を明らかにし、その後の時代のインド半島の古位置の変遷を知ることを目的として行なった。 平成3年度には予備調査を行い、平成4、5年度に本調査として実施した。この研究を行なうために最も重要なことは、まず、古地磁気測定や年代測定を行なうことができる岩石試料を得ることである。したがって、現地での調査は、主として定方位岩石試料の採集である。予備調査ではマハナディ川およびゴダバリ川流域の両地溝帯で、できるだけ色々な種類の岩石を試料として採集した。それらの試料の磁気測定の結果から、始生代や原生代の岩石の多くは複雑な多成分の残留磁化からなっていることが判明し、測定結果の古地磁気学的な解釈も複雑になるので、平成4、5年度の本調査では、主に中・古生代のゴンドワナ堆積物とトラップ玄武岩に的を絞って岩石試料の採集を行なった。即ち、マハナディ地溝帯、ゴダバリ地溝帯、および、マドラス南部においてゴンドワナ堆積物を採取し、カルカッタの北西、ビハ-ル州のラジマ-ル地域では、トラップ玄武岩を主に採集した。 平成4年度には、ビハ-ル州ラージマ-ル地域で、先カンブリア紀、石炭紀、二畳紀、ジュラ紀、白亜紀の花崗片麻岩、堆積岩、玄武岩を18地点で採集し、マハナディ地域では始生代から三畳紀に至る岩石を17地点から採集した。 平成5年度には、タミールナドゥ州マドラス南西の2地域でサンプリングを行なった。ポンディチェリー周辺の2地点で古第三紀石灰岩と白亜紀砂岩を採集し、トリチノポリ周辺では、始生代から古第三紀にわたる時代のチャーノック岩、粗粒玄武岩、石灰岩、砂岩などを22地点から採取した。 古地磁気学的ならびに年代学的測定は現在も進行中であり、大部分は未だ結果を得ていない。特に、始生代、原生代など古い時代の試料は、上述のように多成分の磁化を有しているので、詳細な熱消磁実験を行なって、各々の磁化成分を分離し、その安定性を吟味した上で議論しなければならないために、今後まだ相当な時間を必要とする。 しかし、予察的ではあるが一部良好な結果を得ているものがあるので、それらについて述べる。 まず、6地点の岩石についてのアルゴン-アルゴン法による年代測定の結果が得られている。ゴダバリ地域では、始生代脈岩(Site 21)が574 Ma、原生代下部のコンダーライト(Site 34)が520 Ma、原生代粗粒玄武岩脈岩(Site 0)が510〜520 Ma、原生代片麻状花崗岩(Site 1)が510 Maという年代を得ており、また、マハナディ地域では、2地点の始生代の花崗片麻岩(Site 38とSite 59)が560 Maと680 Maの年代値となっている。 予察的な古地磁気測定の結果、平成3年度と平成4年度のサンプリングで得た総計91地点のうち、まとまりの良い磁化方向を示したのは16地点であった。しかし、この16地点のうち、10地点のものは、原生代、石炭紀、二畳紀、ジュラ紀と時代が異なるにもかかわらず、磁化方向は現在のインドの地球磁場の方向と一致しており、現世の強い二次磁化成分が付加されていることが判明した。したがって、わずかに6地点のみが信頼に足る古地磁気データを与える結果となった。始生代の花崗片麻岩(Site 38)、同じくチャーノック岩(Site 39)、原生代の粗粒玄武岩(Site 0)、白亜紀のラージマ-ル・トラップ玄武岩(Sites 80、82、101)の6地点のものである。これらは交流・熱消磁および熱磁気分析において信頼しうる磁化であることが検討されている。 上記の予察的な結果は、1994年1月10日〜14日にインド、ハイデラバードで開催された第9回国際ゴンドワナ・シンポジウムで以下のタイトル・著者で発表した。 Palaeomagnetic studies of Mahanadi and Godavari Grabens (Hirooka,K.,Funaki,M.,Sakai,H.,Sakai,H.,Takigami,Y. and K.Venkata Rao)
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