研究課題/領域番号 |
04041068
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松井 正文 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (40101240)
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研究分担者 |
ABANG Abdul サラワク州森林局, 主任研究員
SOMSAK Panha チュラロンコン大学, 理学部, 助教授
YONG Hoi Sen マラヤ大学, 理学部, 教授
太田 英利 琉球大学, 理学部, 助手 (10201972)
疋田 努 京都大学, 理学部, 助手 (40135512)
日高 敏隆 京都大学, 名誉教授 (70014892)
ABANG abdul サラワク州森林局, 主任研究員
PANHA Somsak チュラロンコン大学, 理学部, 助教授
YONG HoiSen マラヤ大学, 理学部, 教授
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
1993年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1992年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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キーワード | アジア熱帯域 / 進化 / 行動 / 生活史 / 動物相 / 昆虫類 / 両棲類 / 爬虫類 / 両生類 |
研究概要 |
1979年以来行ってきたマレーシア領ボルネオのサバ州、サラワク州の調査の幅を広げて、マレー半島とタイを加えた調査を当初計画した。しかし、タイでの調査は、1992年の政変後、野生動物保護の規制が強化され、調査許可の取得が遅れ、十分な調査を行うことができなかった。 1992年度はマラヤ大学のヨン教授の協力を得て、11月末より翌年の1月末までマレー半島の西側を調査した。ついで1993年度は7月中旬から9月中旬まで、マレーシア領ボルネオのサラワク州の東北部、中部、南西部で調査を行った。ここでは、サラワク森林局のハミット氏の協力により調査を行った。各年度ともタイでの調査を行うため、バンコクでチュラロンコン大学のソムサク助教授他と調査の打ち合わせを行い、調査許可を早急に得ることができるよう関係機関にも協力を要請した。調査許可は1993年8月下旬に出されたため、カンチャナブリ地区で短期間の予備的な調査を行い、タイ国科学技術研究所で、所蔵標本の調査を行った。 1992年度マレー半島の調査 調査地は北から、カキブキット、ジェライ山、ラルットヒル、キャメロンハイランド、フレーザヒル、ゲンティンハイランドおよびペナン島である。これらの地域の野外調査を行い、標本採集を行うと同時に、カエル類の鳴き声データを収集、トカゲ類については捕獲時に体温のデータを調べた。昆虫類では、クワガタムシ科、クロツヤムシ科の幼虫と成虫の生活史についても調査を行った。核型調査は生体をマラヤ大学まで持ち帰り、ヨン教授の協力の下に行われた。 この調査を通じて昆虫類では、マダラクワガタ属の新種3種が発見され、すでに記載されている。爬虫類ではキノボリヤモリ属が、半島の高地で分化を起こしていることが、この調査で明らかとなった。これには少なくとも3つの未記載種が含まれており、現在記載の準備中である。カエル類については、新たに音声データを収集し、いくつかの属で分類の再検討の必要性が明らかとなった。また、ボルネオや中国の近縁種との音声データの比較も進めている。 1993年度サラワク州の調査 サラワクでの調査地はランビールとムル-国立公園で再調査を行い、さらにランジャック・アンティマウのオランウータン保護区では、今回は南側から入って調査を行った。南西部では、ガディン国立公園とスムンサム動物保護区で調査を行った。これらの国立公園や保護区での両棲爬虫類と昆虫類の動物相の調査を行うと同時に、カエル類の鳴き声データ、トカゲ類については捕獲時に体温のデータを収集し、核型調査も行った。昆虫類については、クワガタムシ科、クロツヤムシ科について幼虫と成虫の生活史についても調べた。 クワガタムシ科、クロツヤムシ科の幼虫類については、農林水産省の許可を得て日本に持ち帰り、生活史を明らかにするため飼育を行っている。両棲爬虫類については組織の冷凍標本を持ち帰り、遺伝学的解析の準備を進めている。カエル類の音声データは従来の調査や中国・台湾との協力によるデータとともに現在解析中である。なお、ハヤセガエル属の音声解析の結果についてはすでに出版済みである。 1993年度タイでの調査 カンチャナブリ地区で短期間の両棲爬虫類について予備的な調査を行い、バンコクのタイ国科学技術研究所で、両棲爬虫類の所蔵標本の調査を行った。一部の標本については、借り出して現在調査中である。調査許可が正式に発行され、チュラロンコン大学およびタイ国科学技術研究所の協力が確認されたので、引き続き本格的な調査を行いたいと考えている。
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