南シナ海域周縁の海洋底地殻構造発達史 地球物理的探査

• 研究課題/領域番号: 04044043
• 研究種目: 国際学術研究
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 共同研究
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 木下 肇 東京大学, 地震研究所, 教授 (10110347)
• 研究分担者: 〓 光鬲 中国科学院, 地球物理研究所, 教授 ; 王 謙身 中国科学院, 地球物理研究所, 教授 ; 閨 貧 中国科学院, 南海海洋研究所, 教授 ; 夏 欺高 中国科学院, 南海海洋研究所, 教授 ; 周 蒂 中国科学院, 南海海洋研究所, 教授 ; 張 毅祥 中国科学院, 南海海洋研究所, 教授 ; 〓 帝光 中国科学院, 南海海洋研究所, 教授 ; 姜 紹仁 中国科学院, 南海海洋研究所, 教授 ; 〓 昭屬 中国科学院, 南海海洋研究所, 教授 ; 是沢 定之 東京大学, 地震研究所, 助手 (80012946) ; 篠原 雅尚 千葉大学, 理学部, 助教授 (90242172) ; 佐藤 利典 東京大学, 地震研究所, 助手 (70222015) ; 大内 徹 神戸大学, 理学部, 講師 (50116191) ; 嶋村 清 九州東海大学, 農学部, 助教授 (80196500) ; 末広 潔 東京大学, 海洋研究所, 教授 (20133928) ; 平田 直 東京大学, 地震研究所, 助教授 (90156670) ; 木村 政昭 琉球大学, 理学部, 教授 (20112443) ; 笠原 順三 東京大学, 地震研究所, 教授 (70012953) ; LIU Guangding Institute of Geophysics Academy of Sciences, Professor ; KAN Yuan South China Sea Institute of Oceanology Academia Sinica, Professor ; WANG Qian Shen Institute of Geophysics Academy of Sciences, Professor ; JIANG Shaoren South China Sea Institute of Oceanology Academia Sinica, Professor ; ZHOU Di South China Sea Institute of Oceanology Academia Sinica, Professor ; ZHANG Yixiang South China Sea Institute of Oceanology Academia Sinica, Professor ; YAN Pin South China Sea Institute of Oceanology Academia Sinica, Professor ; LIU Diguang South China Sea Institute of Oceanology Academia Sinica, Professor ; りゅう 昭蜀 中国南海海洋研究所, 教授 ; 孫 玉科 中国南海海洋研究所, 教授 ; 姜 しょー仁 中国南海海洋研究所, 教授 ; 夏 戡原 中国南海海洋研究所, 教授 ; 藤岡 換太郎 海洋科学技術センター, 研究主官 ; 木下 正高 東海大学, 海洋学部, 講師 (50225009) ; りゅう 帝光 中国南海海洋研究所, 助手 ; 上田 誠也 テキサスA&M大学, 東海大学・海洋学部, 教授 (60011459) ; 加賀美 英雄 城西大学, 理学部, 教授 (50013561) ; 徳山 英一 東京大学, 海洋研究所, 助手 (10107451) ; 藤本 博己 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (50107455) ; 玉木 賢策 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (50188421) ; T W C Hilde テキサスA&M大学, 教授 ; 伊勢崎 修弘 千葉大学, 理学部, 教授 (60107943) ; 山野 誠 東京大学, 地震研究所, 助手 (60191368) ; 瀬野 徹三 東京大学, 地震研究所, 助教授 (10216567)
• 研究期間 (年度): 1992 – 1993
• 研究課題ステータス: 完了 (1993年度)
• 配分額: 15,700千円 (直接経費: 15,700千円); 1993年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円); 1992年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
• キーワード: 縁辺海 / 海洋底地球物理 / 物理探査専用船 / 地殻構造遷移地域 / プレートテクトニクス / 重力 / 人工地震 / 海底地殻熱流量 / 南シナ海域 / 地殻構造 / 海洋性地殻 / 受動的縁辺 / 大陸地殻 / 地震波速度構造探査 / 地磁気探査 / 重力探査

研究概要

中国大陸南部から南支那海北部の地域には、大陸地殻から海洋地殻の遷移域に於て地殻の深部に達した斷裂帯(地溝)がある。これは、陸塊と海洋プレートの衝突による地殻の破壊現象であろうと推定されてきた。このことは二つの意味で重要である。一つには、大陸と海洋の地殻が始めから分離していたものがその後何らかの理由により接合したものであるのか、あるいは逆に、大陸地殻が変形分離しつつある過程の中途状態にあるのか、と言う問題である。この様な地殻構造遷移地域における類似の構造は、日本海の北部海域とシベリア大陸地塊の間の遷移域における構造的関係にも明瞭に現われている。この疑問に対する答えとして、今日のプレートテクトニクス理論に立脚した推定によれば、前者即ち、この遷移域においては、陸の地塊と海洋性地塊の全く異質のものが接合しつつある、と言う考えに傾いてはいるものの、まだ決着はついていない。このようなテクトニクスに基づく地殻構造の解釈は、われわれ日本研究陣のような純粋地球科学研究的側面からしても、また資源確保を狙う中国の経済的側面を重視する科学研究にとっても非常に興味の有る問題で、中国側の積極的な研究協力もこの様な背景で推進されたものである。そのため今回の探査について中国科学院は非常に協力的で、沿岸探査においては入手することが困難な場合の多い石油鉱区探査用基礎資料などが提供され、本研究の基礎資料として公開が許された。
この地溝について、重力、人工地震、地磁気及び海底地殻熱流量の測定を通じて総合的構造研究を行った。その手順として、1.中国側の研究者代表を招いて、研究の打ち合わせをおこなう。2.中国側の用船を要請する。3.研究資材(熱流量計、磁力計)を中国に輸送し船舶に搭載する。4.本観測を実行する。5.観測終了後、中国側研究者を日本に招聘し、調査結果の纒めと、解析を行なう。6.日本側から中国に赴き本年度の研究成果を纒め、今後の課題の検討など研究連絡を行う、と言う手順で実行計画が纒められた。
探査修了後、日本研究陣は国内で直ちにデータの解析を開始すると同時に、中国側研究者1名を長期(約3箇月)招聘して、解析の共同作業にあたった。解析作業が軌道に乗り、中国側研究者が日本の解析技法を習熟した時点で、複数の中国側研究者を招聘し、東京で研究連絡を行った。その後両国で独立に解析を進め、年度末には日本から複数の研究者を中国に派遣し、研究連絡、成果の取り纒め、学会への発表を含め成果の公表形式を打ち合わせた。

研究成果

• [文献書誌] Yukari Nakasa: "A supplement to Magnetic Anomaly of the Japan Basin" JGG 投稿済み. (1994)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] Y.Nakasa: "Japan-China Joint Geophysical Survey in the nothern part of the South China Sea:Total and three components magnetic anomalies" JUly 1994,Western Pacific Geophysical Meeting. (印刷中). (1994)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] M.Sekine: "Seismic Crustal Structure of the Northern South China Sea by the Japan-China Joint Study" 1994,Western Pacific Geophysical Meeting. (印刷中). (1994)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] 関根真弓: "日中共同観測による南シナ海北部の地殻構造" 日本地震学会講演予稿集. NO.2. C78 (1993)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] T.Ouchi: "Population dynamics of earthquakes and mathematical modeling" Pure and Applied Geophys.140. 15-28 (1993)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] T.Ouchi: "Wide regional activation of seismic activities revealed by the OBS observation" Proceeding of International Symposium on “Continental Earthquakes"Beijing,China. 334-342 (1993)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] Yukari Nakasa: "A supplement to Magnetic Anomaly of the Japan Basin" JGG. (under printing). (1994)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Y.Nakasa: "Japan-China Joint Geophysical Survey in the nothern part of the South China Sea : Total and three components magnetic anomalies" JUly 1994, Western Pacific Geophysical Meeting. (in press). (1994)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] M.Sekine: "Seismic Crustal Structure of the Northern South China Sea by the Japan-China Joint Study" 1994, Western Pacific Geophysical Meeting. (in press). (1994)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] "Japan-China Joint Geophysical Survey in the northern part of the South China Sea" Paper presented at the 1993 fall meeting of the Scientific Society of Japan. No.2. C78 (1993)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] T.Ouchi: "Population dynamics of earthquakes and mathematical modeling" Pure and Applied Geophys.140. 15-28 (1993)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] T.Ouchi: "Wide regional activation of seismic activities revealed by the OBS observation" Proceeding of International Symposium on "Continental Earthquakes" Beijing, China. 334-342 (1993)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] 木下 肇: "Seismic strucutre of the Japan and its tectonic implications" J.Geomag.Geoelectr.45. (1993)
• [文献書誌] 笠原 順三: "プロトタイプ海底総合地球物理観測装置とマリアナトラフにおける予備調査" 月刊海洋. 24. 413-422 (1992)
• [文献書誌] 瀬野 徹三: "フィリッピン海プレートの運動の研究史" 号外月刊地球. 5. 46-50 (1992)
• [文献書誌] 徳山 英一: "Initiation of ophiolite emplaement: a modern example from Okusiri Ridge" Marine Geology. 103. 323-334 (1992)
• [文献書誌] 平田 直: "Oceanic Crust in the Japan Basin of the Japan Sea" Geophysical Research Letters. 19. 2027-2030 (1992)
• [文献書誌] 藤岡 換太郎: "Correction of Quaternary tephras throughout the Izu-Bonin areas" Proc.ODP,Sci.Results,TX(Ocean Drilling Program). 126. 23-45 (1992)