研究課題/領域番号 |
04044052
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中村 義一 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (40114590)
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研究分担者 |
饗場 弘二 名古屋大学, 理学部, 教授 (20025662)
HERSHEY John カリフォルニア大学, デービス校・生物化学科, 教授
BOCK August ミュンヘン大学, 生物遺伝学研究所, 教授
COURT Donald フレデリック癌研究センター, チーフ
ISAKSSON Lei ストックホルム大学, 微生物学科, 教授
SPRINGER Mat フランス生物物理化学研究所, 部長
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
30,000千円 (直接経費: 30,000千円)
1993年度: 15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
1992年度: 15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
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キーワード | 遺伝子発現 / 転写後制御 / 翻訳調節 / ペプチド鎖解離因子 / RNaseIII / サプレッサー / 翻訳活性化 / 可変的翻訳 |
研究概要 |
遺伝子発現の転写後調節をつかさどるRNAシグナルの構造・機能・制御タンパク質との相互作用を明かにする目的で行なった研究成果を以下に整理する。 1.ペプチド鎖解離因子の研究:大腸菌では、終止コドンUGAにおける翻訳終結はペプチド鎖解離因子RF2を必要とする。我々はin vivoでRF2と相互作用している因子に関する知見を得ることを目的として高温感受性RF2変異株から6種類の復帰変異株を分離した。その内、4株が遺伝子外サプレッサー変異であった。それらは、90分(srbB)と99分(srbA)の2つのグループに分けられた。この解析に並行して、新たにトランスポゾン挿入(遺伝子破壊)によりUGAサプレッサーとなるような突然変異を分離し、tosと命名した。遺伝学的分析とDNAクローニング解析の結果、tos変異はsrbA変異と同一の遺伝子上に起きた突然変異であることが明かとなった。この結果から、tos(srbA)遺伝子は、その存在が1969年に予言されていながら何の確証も得られず放置されていたRF3蛋白質の構造遺伝子である可能性が示唆された。そこでTos蛋白質を過剰生産、精製し、in vitroペプチド鎖解離反応系で活性測定を行なった結果、RF3蛋白質の活性を完全に保持することが明かとなった。この解析により、四半世紀の謎に包まれていたRF3因子の存在、機能、構造を遺伝学的、生化学的に実証することが出来た。この成果は今後、終止コドン認識の解明にとって飛躍的な原動力となるものと自負する。 2.リジルtRNA合成酵素遺伝子の研究:大腸菌は例外的に、2種類のリジルtRNA合成酵素を持ち、構成型(lysS)と誘導型(lysU)の遺伝子から合成される。その生理的な意味は依然不明であるが、我々は本研究によってlysU遺伝子の発現誘導に関してその分子機構を明かにすることができた。その結果、lysU遺伝子の発現はLrp蛋白質(Leucine-Responsive Regulatory Protein)によって転写レベルで抑制されており、ロイシンを含めた各種の誘導物質によるLrp蛋白質の不活化を介して転写誘導されることを明かにした(Mol.Microbiol.6巻[1992]表紙に採用)。さらに、lacZとの遺伝子融合法により翻訳レベルの発現制御を解析した結果、翻訳開始コドン直下に“downstream
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box"と命名された翻訳エンハンサーの存在を明かにした。この部位は16SrRNAの1469-1483位の配列との相補性が示唆されていたが、我々の詳細な解析によって初めてその部位を実証した。さらに16SrRNA遺伝子上にlysU遺伝子の構成発現変異を分離することにも成功した。 3.RNA2重鎖認識酵素RNaseIII及び関連因子の研究:era遺伝子はオンコジーンRAS遺伝子ホモログとして発見されたが、その機能は未だ明かではない。我々はこの問題を解くために、高温致死性era変異のサプレッサー変異を分離、解析した。その結果、3群のサプレッサー変異(ers)が分離され、ersAは55分、ersBは70分、ersCは28分にマップした。各遺伝子クローンは小原ライブラリーから同定し、塩基配列分析を完了した。その結果、ersAはsuhB遺伝子と同一であることが明かになった。suhBはsecYやrpoH変異のサプレッサーとして分離され、その変異株分析から蛋白質合成における関与が示唆されていたが、その機能は不明であった。我々は、“era-suhB"機能連鎖の意味を解くために、さらに低温致死性変異suhB10を分離し、そのサプレッサー変異を分離、解析した。その結果、SuhB蛋白質の機能欠損は2重鎖RNA認識(切断)酵素であるRNaseIIIの特異的な変異によって補償されることが明かになった。これらの結果から、“Era-SuhB-RNaseIII"間の機能連鎖は、2重鎖RNAの認識またはプロセシングを介した“Post-Transcriptional Control"の問題であることが結論した。 4.マイナ-tRNAによる発現調節機能の研究:パン酵母の遺伝子破壊変異株コレクションの中から、マイナ-Arg-tRNA遺伝子(HSX1と命名)の欠失によりHSP70ファミリーのひとつであるSSC1遺伝子の熱ショック誘導に欠損を生じる変異株を発見した。このマイナ-Arg(AGG)コドンはTy1レトロトランスポゾンのTYA1(gag)-TYB1(pol)融合蛋白質合成時の翻訳フレームシフトのシグナルとして機能することが知られており、事実HSX1欠損株は著しいフレームシフト効率の上昇とTy1転移効率の減少をもたらした。SSC1遺伝子の熱ショック誘導におけるマイナ-Arg-tRNA(AGG)の機能研究により、新たな熱ショック誘導の分子機構の解明につながるものと期待できる。 隠す
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