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古代農具史と古代農具の機能に関する日韓比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 04044116
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分共同研究
研究機関神戸大学

研究代表者

堀尾 尚志  神戸大学, 農学部, 教授 (00031229)

研究分担者 郭 鐘哲  梨花女子大学校, 伽耶文化研究所, 研究委員
朴 虎錫  農協大学, 農工技術科, 教授
小池 正之  筑波大学, 農林工学系, 助教授 (60032306)
PARK Hoeok  Prof., Agir. Cooperative College
郭 鐘ちょる  梨花女子大学校, 伽耶文化研究所, 研究委員
研究期間 (年度) 1992 – 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1992年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード農具史 / 日韓比較 / 農具の機能 / 古代農具 / 農具の形状解析
研究概要

1.派遣・招聘により実施した共同セミナーの実績
(1)釜山大学校人文大学において、史学科の閔成基教授及び考古学科の鄭澄元教授の呼びかけにより、約30名の参加を得て実施した。堀尾は日本における農業史研究の歴史と現状の問題点を報告した。小池は、国立ソウル中央博物館所蔵の犂先とそれにより推定される犂へらとの耕うん抵抗を、有限要素法の適用して算定する方法と計算結果の一部を紹介した。また、朴は、韓国における犂の歴史を述べ、日本との繋がりに言及した。
日本における農業史研究の蓄積は若い参加者に刺激を与え、また考古学的事物に対する数理的手法の適用について、新鮮な刺激と期待を与えたことは確かであったが、研究の方法論に関するさらなる議論は展開されなかった。また、犂の日韓比較史的な考察は、ほとんど興味をもたれなかったようである。自分たちの文化が歴史的に影響を与えた先についての技術移転の分析は、最近始まったばかりである。堀尾は、自身参加したことがある、国際日本文化研究センターとライデン大学の共同セミナーの例(Conference on the Transfer of Science and Technology between Europ and Japan since Vasco da Gama)を引きつつ説明したが、そのような問題意識を十分惹起できなかったことは遺憾であった。
そのため、帰国後あらためて共同研究会の開催を申し入れたが、韓国特有の研究環境によるのであろうか、2名の韓国側分担者の尽力にもかかわらず、はかばかしい進展はみられていない。ただ、平成6年度に、日本の農業史関係者による見学訪問による研究交流の計画が進行中であり、近い将来、本補助金の成果たる共同研究会実施へ向けて前進がみられるであろう。
(2)済州歴史学会の特別例会として、共同セミナーを開催した。分担者、朴の呼びかけに、各国文化部専門委員の金榮〓博士らが呼びかけたものである。約20名が参加した。小池と朴は上記と同じ内容を報告した。堀尾は、中床犂が水田の床締めのために近代になっても特定の地域で選択的に使用されたことを日本およびラオスの事例により説明し、韓国における同様の事例を問うた。適正技術(Approriate Technology)としての中床犂に対する歴史的評価は、少なからず議論を惹起した。韓国本土に対する済州島農業の歴史的状況とかさね合わされたものと思われる。そして、農具だけでなく農業技術・農耕文化を琉球から韓半島、九州まで入れた東シナ海文化圏の問題として解いて行く際、済州島が予想以上に解のキ-・コンセプトになるのではないか、というように議論は展開した。
なお、済州大学校総長の金〓玉博士と会談し、同博物館研究員、高光敏氏を窓口とし当座は個人レベルで共同研究を開始することを合意した。
(3)福岡市ももちホールにおいて、関西農業史研究会との共催で合同セミナーを開催した。参加者は35名であった。堀尾の基調報告に続き、徳島大学の東潮教授が、韓国の古代農業史と今後の研究展開を報告した。また、九州国際大学の宮島昭一朗教授は、佐賀の特異な犂と農法の、韓半島及び揚子江下流域との関連について報告した。そして、東シナ海文化圏における農業技術・農耕文化の伝播が古代だけでなく中世・近世を通じて予想以上にあったことを、視野に入れておく必要のあることが確認された。
2.農具史の日韓比較はいま緒についたばかりである。さらなる調査研究が必要とされるが、そこへ進むまえに、前年度から取りかかっている関係文献の調査を完了させ、第1版を準備中である。
3.犂先及び犂へら上での土壌の変形・せん断を有限要素法により解析し、犂の牽引抵抗を求めるプログラムの、韓国在来犂用プログラムへの移植を完了した。各地の土壌条件等入力データの収集を行っている。

報告書

(2件)
  • 1993 研究成果報告書概要
  • 1992 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Hisashi,HORIO: "Water and Ploughing in Paddy Field" ACTA MUSEORUM AGRICULTURAE. XXII(投稿中). (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1993 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 堀尾尚志: "農具史の日韓比較研究序説" 農業史年報(関西農業史研究会誌). 6(予定). (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1993 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Hisashi HORIO: "Water and Ploughing in Paddy Field" ACTA MUSEORUM AGRICULTURAE. XXII(in publicating). (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1993 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Hisashi Horio: "Introduction to Japan-Korea comparative Study on the History of Farm Tools (in Japanese)" Nogyoshi-Nenpo (The Annual Report on Agricultural History). 6(in preparing). (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1993 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] HORIO,Hisashi: "Water and Ploughing in Paddy Field --A Historical Case Staduy on Appropriate Techn-ology--" ACTA MUSEORUM AGRICULTRAE(Prag). XXII.

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] Park Ho-Seok: "Origin and Evolution of the oriental and occidental Plow" 農業史通信(『農業史年報』)1993. 43号. 360-363 (1993)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書

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公開日: 1992-04-01   更新日: 2016-04-21  

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