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インドネシアの基本的土地利用の生産性向上と協同組合の展開に関する総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 04044120
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分共同研究
研究機関岡山大学

研究代表者

岩間 泉  岡山大学, 農学部, 教授 (90160134)

研究分担者 SUTRISNO Iwa  インドネシア協同組合省及び小企業開発省, 小企業開発局, 局長
横溝 功  岡山大学, 農学部, 助教授 (00174863)
MUSLIMIN Nas  インドネシアバペナス, 総局長
亀山 宏  香川大学, 農学部, 助手 (70177608)
宮川 経邦  南九州大学, 園芸学部, 教授 (70174133)
三野 徹  岡山大学, 農学部, 教授 (10026453)
岡本 五郎  岡山大学, 農学部, 教授 (30026611)
千葉 喬三  岡山大学, 農学部, 教授 (10036741)
内田 仙二  岡山大学, 農学部, 教授 (80032986)
中里 亜夫  福岡教育大学, 教育学部, 教授 (60044343)
甲斐 諭  九州大学, 農学部, 助教授 (70038313)
稲本 志良  京都大学, 農学部, 教授 (80026468)
堀田 忠夫  大阪府立大学, 農学部, 教授 (40036439)
MUSLIMIN nasution  BAPENUS.General Director
研究期間 (年度) 1992 – 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
1993年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1992年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
キーワード原自然 / 玄武岩質の母岩 / プカランガン / 熱帯果樹 / 整枝・剪定 / グリーニング病 / KUD / シンパンピンジャム / 集落単位農村協同組合 / 自然集落 / 慣行農法 / 市場対応・営農指導 / 熱帯雨林 / アグロフォレストリ
研究概要

ジャワ島は、地球の地殻運動により、大陸が花崗岩質の母岩になるのに対して、玄武岩質の母岩を形成している。この母岩が火山活動により地殻表層に提供する土壌は、無機養分に富み、リン酸含量が多い。調査多象村である東ジャワ州のマジャングテンガ村の台地土壌も細粒で無機養分に富む降下火山灰からなる。東ジャワ州は、位置的に長い乾季を伴う半落葉季節林地帯になる。熱帯の高温下で、雨季と乾季に対応して、旺盛なバイオマスの変動が生じる。そして、これらの活動の結果として、肥沃な土壌が形成されている。本村の土壌分析の結果によると、有効土層が厚く、全層にわたって養分に富み、作物は深く根茎を発達させうることが分った。それ故、各種作物・果樹・樹木は、雨季に貯蔵した地下水を吸収して、長い乾季を乗り切ることができる。この特性を人為的に活用してプカランガンが成立している。プカランガンは、ジャワ島に自然に成立する半落葉季節林の樹木と草本を人間にとって有用な樹木と草本に転換したものであり、地力を維持して、生産物を収穫しうる農法である。プカランガン以外の土壌分析により、畑での養分の溶脱・土壌の酸性化、林業でのリン酸の減少、水田での鋤床層の肥大等のモノカルチャーの弊害を指摘できた。
プカランガンには、近年、コーヒー等の換金作物の導入も盛んに行われている。プカランガン内のコーヒーは、エステートよりも小規模故に、密植やわい化等の工夫をし、単位面積当たり収量を上げているが、受照条件が悪いことが今後の課題である。プカランガンにおいて主要な作目である熱帯果樹については、篤農家による技術的改善事例を調査できた。ココヤシを幼樹期に切り返し剪定し、低木化・早期果実を達成したり、周囲の中高木の整理による光条件の改善・化学肥料の投与・マメ科植物の利用によって、生産性の向上を図っていた。今後は、熱帯果樹の品種・系統の選抜、整枝・剪定技術の確立も含めたプカランガンのレイアウトの再編が大きな研究課題である。しかし、高木の整理による受照量の増加が、乾季における中・低木に水分ストレスを引き起こすことを充分に考慮する必要がある。また、熱帯果樹の加工・輸出が、東ジャワ州に限らず、インドネシア全体での今後の大きな研究課題でもある。
インドネシアにおいて重要な温帯果樹に柑橘があるが、テガ-ル(畑)において主として作られている。柑橘は、潜在的な需要があり、今後の重要な商品作物になりうる。しかし、柑橘生産の安定化のためには、グリーニング病(CVPD)の克服が必須である。このために、とりあえずの対策として、媒介昆虫(ミカンキジラミ)が生息する条件下では、繁殖用穂木を接ぎ木直前に、抗生物質(ペニシリンG)で処理し、無毒苗木を圃場に栽植することを提言する。長期的対応としては、媒介昆虫の発生生態を調査し、有効な薬剤の種類・散布時期を明らかにし、天敵(寄生蜂)の導入などが今後の研究課題である。
プカランガンにおいて家畜の役割は大きい。本村では、畜舎は母屋に隣接して設置されている。狭いプカランガンでは、牛の飼料は主として近隣の水田畦畔・林地周辺の野草に依存し、山羊の飼料は主として屋敷周辺・林地の潅木の葉に依存している。家畜の堆きゅう肥は、プカランガンの土壌の培養・保全に貢献している。また、広いプカランガンでは、飼料作物(ネピアグラス)の栽培利用が見られる。今後の研究課題としては、山地・傾斜地の草資源の有効利用、プカランガン内への乾季でも生育可能な飼料木の導入、稲作農家との連携、飼料の貯蔵を挙げることができる。
今後のKUD(農村協同組合)の役割は、農村における過剰就業対策として、前述の熱帯果樹の加工のような農業関連産業の農村への導入が挙げられる。そして、プカランガンのレイアウトの再編等の営農指導が基本となる。
農産物流通においては、取引形態の中心であるバザ-ル市場の再整備・取引機能の合理化が今後の課題である。その際、KUDは指導的役割を果たす必要がある。また、KUDは、信用事業(シンパンピンジャム)を強化し、地域固有の技術(生産・流通)と結合した融資によって、農家の貸し倒れを防ぎ、農家の所得向上に貢献していく必要がある。

報告書

(2件)
  • 1993 研究成果報告書概要
  • 1992 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] TORU MITSUNO: "Natural Soil Water Dynamics and Soil Water Management in Monsoon Asia" Proc.Agric. Research Organization,Institute of Soil and Water,Bet-Dagan,Israel.(1993)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書

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公開日: 1992-04-01   更新日: 2016-04-21  

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