研究課題/領域番号 |
04044146
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
横堀 武夫 帝京大学, 理工学部, 教授 (60005139)
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研究分担者 |
八木 晃一 金属材料技術研究所, 環境性能部, 部長
横堀 寿光 東北大学, 工学部, 助教授 (00124636)
岸 輝雄 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (40011085)
BRIAN Wilshi Univ. of Wales, Department of Materials, Professor
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
1993年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1992年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | 物性と力学の非線型融合と比較材料強度学と高温破壊 / θ^*パラメーター法 / 高温クリープ寿命のマスターカーブによる簡易評価法 / 高温クリープ損傷と評価法 / θパラメーター法 / αパラメーター法 / セラミックスの高温クリープ / Ti-Al金属間化合物 / 物性と力学の非線型融合と比較 材料強度学と高温破壊 / Q^*パラメーター法 / Sialon |
研究概要 |
高温材料の高温クリープ条件下でのき裂の発生・成長に関する比較材料強度学的研究およびミクロ・物性、連続体力学を融合した概念の下に、新しいクライテリオンの創成の研究を行い、次の研究成果を得た。 1.高温クリープ破壊寿命のマスターカーブによる簡易評価法の確立。 一つの温度、負荷応力条件下での破壊までの高温クリープ曲線を実験的に求めておけば、異なる任意の温度、応力条件下の破壊寿命を評価できる方法を見出した。 破壊に至るまでの高温クリープ変形曲線がα_2〜α_4なる三つのパラメーターで定式化されることを見出された。すなわち、高温クリープ変形量として、平滑材ではクリープ歪を、切欠き材では切欠き開口変位比△φ/φ_0(ここで△φ:切欠き開口変位、φ_0:もとの切欠き開口値)の定数倍、10.6△φ/φ_0、き裂材では、き裂先端開口変位比△δ/δ_0(ここで△δ:き裂先端開口変位、δ_0:き裂先端のもとの開口値)の定数倍、0.4△δ/δ_0に至るまで、平滑材、切欠き材およびき裂材のすべてをカバーして、α_2、α_3およびα_4なる3個のパラメーターで表わされる同一唯一のマスターカーブで表示できることを見出した。この方法をαパラメーター法と名付ける。このαパラメータ方法は、次に述べるWilshireの提案になる世界的に著名なθパラメーター(θprojectionとも言われる)による方法よりも、すぐれた特長をもつことがわかる。 (1)Wilshireの提案によるθパラメータは平滑材だけに対するものである。実用上からも必要な切欠き材やき裂のある材料については従来不明であった。横堀たちによる上記の方法は、平滑材、切欠き材およびき裂材などすべてをカバーするものである。 (2)しかも、本提案の方法は一つのマスターカーブのみで表示できるという点で極めて簡単である。 (3)さらに、パラメーターの数が3つであり(Wilshireのθパラメーターはθ_1,θ_2,θ_3およびθ_4の4つのパラメーターが必要である。)、より簡単な式で表示される。 (4)θパラメーター法ではクリープ変形を時間そのもの(絶対値)について表示している。しかし、横堀たちによる上記αパラメーター法では、破壊寿命^tfで無次元化した表式であるので、マスターカーブとして負荷応力や温度の異なる場合に対して、そのまま汎用できるという利点がある。さらに、ある時期まで使用された実機(機器や部材)の余寿命(残存寿命)の評価(予測)を可能とする。 2.成長する高温クリープき裂近傍の損傷の評価法を提案し、上記の寿命評価法の損傷力学的基盤を与えた。 3.共同研究者Wilshireは、平滑材について提案したクリープ変形曲線のθ_1〜θ_4という4つのパラメーターによる表示(有名なθパラメーター法表示)法を用いて、短寿命の実験室的条件でのデータの、より温度の低い長寿命域のクリープ寿命予測として、プラント設計への適用が行われた。今後、θパラメーター法に、上記αパラメーター法の概念をとり込んで、切欠き材やき裂材に対する共同研究の展開のための研究を遂行中である。 4.高温延性材から高温脆性材を統一しての高温クリープき裂成長とクリープ破壊寿命の新しいクライテリオンの創出 金属、セラミックスといった材料の枠組みを超えて高温延性耐熱合金Cr-Mo-V鋼から高温延性耐熱超合金IN100や化学結合様式の異なる種々のセラミックス(窒化珪素、アルミナセラミックス、炭化珪素)などにいたるまでを統一して、比較強度学的研究により、共通のconcept(概念)による高温クリープ寿命の簡便な評価法を提案し、実証した。延性の相違など材料や組織による識別を可能とする頃をexplicitに含んでいる点も特長の一つである。本成果は高温き裂成長速度を熱活性化過程として提案した新しいパラメータを用いて導いたものであり、有名なMonkman-Grantの半実験式を特別の場合として含むものである。 高温疲労及びクリープ疲労の重畳下での破壊の研究の展開に関する研究計画も討議され立案中である。 5.モノリシックセラミックス、Sialonセラミックスの高温クリープ変形過程についての新しい重要な知見を得た。(Wilshire) 6.Ti-Al金属間化合物の表面析出についての新しい知見を得た。 7.先端材料の熱衝撃による微視組織の挙動に関するアコステック・ミッションの評価法に関する新しい知見を得た。
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