1973-74年出土居延漢簡の研究

• 研究課題/領域番号: 04044152
• 研究種目: 国際学術研究
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 共同研究
• 研究機関: 関西大学
• 研究代表者: 大庭 脩 関西大学, 東西学術研究所, 所長 (50067451)
• 研究分担者: 王 天有 北京大学, 歴史系, 教授 ; 宋 成有 北京大学, 歴史系, 副教授 ; 劉 軍 中国文物研究所, 副研究員 ; 趙 桂芳 中国文物研究所, 副研究員 ; 李 均明 中国文物研究所, 副研究員 ; 謝 桂華 中国社会科学院, 歴史研究所, 研究員 ; 籾山 明 埼玉大学, 教養部, 助教授 (70174357) ; 冨谷 至 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 ; 永田 英正 京都大学, 文学部, 教授 (90027532) ; SONG Cheng-you Assist. Professor Department of History,Peking University ; WANG Tian-you Professor, Department of History, Peking University ; ZHAO Gui-fang Assist.Researcher,Institute of Chinese Culture and Relics ; LIU Jun Assist.Researcher,Institute of Chinese Culture and Relics ; LI Jin-ming Assist. Researcher, Institute of Chinese Culture and Relics ; XIE Gui-hua Researcher, Institute of History, Chinese Social Science ; 呉 宗国 北京大学, 歴史学系, 教授 ; 季 均明 文化局, 中国文物研究所, 副研究員 ; 何 双全 甘肅省文物考古研究所, 副研究員 ; けい 義田 中央研究院, 歴史語言研究所, 研究員 ; 管 東貴 中央研究院, 歴史語言研究所, 所長 ; 上島 紳一 関西大学, 文学部, 助教授 (10184920) ; 来村 多加史 関西大学, 文学部, 講師 ; 鵜飼 昌男 関西大学, 文学部, 講師 ; 吉村 昌之 関西大学, 文学部, 講師
• 研究期間 (年度): 1992 – 1993
• 研究課題ステータス: 完了 (1993年度)
• 配分額: 11,100千円 (直接経費: 11,100千円); 1993年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円); 1992年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
• キーワード: 木簡の保存方法 / 居延漢簡 / 敦煌漢簡 / 墨色の変化 / 樹脂加工 / 冷凍法 / Vindolanda / 漢簡研究国際シンポジウム'92 / 漢簡研究国際シンポ / 蘭州 / 荊州 / 漢簡名称のつけ方 / 釈文記号の統一 / 竹簡の材質 / 西北科学考査団 / 民族博物館(ストックホルム)

研究概要

本年度の重点は二つあった。
その一は木簡の保存方法についてである。一般に中国木簡は居延漢簡などフイールドで発掘されたものは、乾燥し切った状態で出土し、敦煌漢簡をもつイギリスでは、ほとんどそのまま倉庫に保存している。台北の居延旧簡は、空調設備のある部屋で一定の温・湿度を保つように工夫しているが、個々の簡には策をほどこしていない。百年単位の長年月をサイクルとして考えた時、墨色の変化と木質が焼けるのを防ぐのは困難で、樹脂でまくのが良いと考えられるが、何万本もの簡にその加工を施す事が予算上許されないので、現今一般に無策におち入っている。
日本木簡と同様、湖北省を中心として、墓から出土する木簡については、日本では冷凍法を行っているが、中国では徐々に乾燥させる方法をとり、イギリスにおけるVindolandaのローマ木簡も、乾燥させるのに2年を要したと言うが、これも高い保存技術が必要である。招聘研究者・趙桂芳氏はその専門家で、漆器の乾燥の経験が豊かで、同氏を招いて相互に意見交換を行った。
その二は、前年12月に行った“漢簡研究国際シンポジウム'92"のプロシ-ディングスの刊行と、居延漢簡のコンピュータによる索引の編集を行った。
シンポジウムには、来日した外国人研究者 名、国内からの参加者 名を数え、2日間を漢簡を発掘した人、釈文を作成した人に限って研究発表を行い、その質疑応答、ついで第3日は来日研究者に日本人の特に専門と見なされる人を合わせて約60名で自由討論を行った。発表会、討論会とも速記者を充実させ、日本語は完全に記録し、この書に載せる事ができた。編纂には相当な時間を要したが、本研究費補助金を受領している年度内に出版できたことは欣快である。
なお当初計画では、新旧居延漢簡の各種事項の索引を上記報告書に入れる予定であったが、量が多くなったので取り扱いの便宜と予算都を勘案して、平成6年度の出版とした。

研究成果

• [文献書誌] 趙 桂芳: "中国簡、牘保護概論" 関西大学東西学術研究所紀要. 27. 43-51 (1994)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] 劉 軍: "屯戌遺簡人事管理文書所反映的幾個問題" 関西大学東西学術研究所紀要. 27. 35-42 (1994)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] 大庭 脩: "木簡の隷書" 墨(隷書百科). 114-128 (1994)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] 大庭脩編: "漢簡研究の現状と展望" 関西大学出版部, 620 (1994)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] Zhao Gui-fang: "Survey on the Techniques of Preservation of Bamboo and Wooden Strips in China" Bulletin of the Institute of Oriental and Occidental Studies, Kansai University. 27. 43-51 (1994)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Lin Jun: "A Study on the Documents of Personal Column of Defensive Army in Han Dynasty" Bulletin of the Institute of Oriental and Occidental Studies, Kansai University. 27. 35-42 (1994)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Oba Osamu: "Reisho on wooden strips" Sumi(Encyclopedia of Reisho). 114-128 (1994)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Oba Osamu: KANSAI UNIVERSITY PRESS. Recent Studies and its Future of Han Wooden Scrips, 620pages (1993)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] 大庭脩: "90年代の漢簡研究(1)" 書道研究. 50. 124-139 (1992)
• [文献書誌] 大庭脩: "90年代の漢簡研究(2)" 書道研究. 52. 104-113 (1992)
• [文献書誌] 冨谷至: "王杖十簡" 東方学報. 64. 61-113 (1992)
• [文献書誌] 籾山明: "爰書新探-漢代訴訟論のために-" 東洋史研究. 51-3. 307-348 (1992)
• [文献書誌] 吉村昌之: "「敦煌漢簡」研究の現状と課題" 木簡研究. 14. 241-254 (1992)
• [文献書誌] 大庭脩: "漢簡研究" 同朋舎出版, 376 (1992)