研究分担者 |
BAKER Kile.B ジョンズポプキンス大学, 応用物理研究所, 主任研究員
揚 恵根 中国極地研究所, 超高層物理部門, 助手
SAMUNDSSON T アイスランド大学, 科学研究所, 教授
STAUNING Pet デンマーク気象研究所, 主任研究官
巻田 和男 拓殖大学, 工学部, 教授 (40129945)
西野 正徳 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 講師 (70023679)
菊地 雅行 国立極地研究所, 研究系, 助手 (20270423)
鮎川 勝 国立極地研究所, 研究系, 助教授 (50000154)
行松 彰 国立極地研究所, 研究系, 助手 (70260007)
門倉 昭 国立極地研究所, 資料系, 助手 (70185883)
宮岡 宏 国立極地研究所, 情報科学センター, 助教授 (10150046)
山岸 久雄 国立極地研究所, 研究系, 助教授 (20132714)
江尻 全機 国立極地研究所, 情報科学センター, 教授 (30013692)
平澤 威男 (平沢 威男) 国立極地研究所長, 所長 (30011571)
HUIGEN Yang Polar Research Institute of China
SAEMUNDSSON Thorsteinn University of Iceland
PETER Stauni デンマーク気象研究所, 主任研究官
ANDY J.Smith 英国南極局, 超高層科学部門・地球圏プラズマグループ, 室長
THERSTEINN S アイスランド大学, 科学研究所, 教授
國武 学 通信総合研究所, 研究官
大高 一弘 通信総合研究所, 研究官
麻生 武彦 京都大学, 工学部, 助教授 (10026255)
島倉 信 千葉大学, 工学部, 助教授 (00009721)
坂 翁介 九州大学, 理学部, 助教授 (80108638)
小野 高幸 国立極地研究所, 資料系, 助教授 (10141996)
THORSTEINN S アイスランド大学, 科学研究所, 教授
国武 学 通信総合研究所, 研究官
|
配分額 *注記 |
21,300千円 (直接経費: 21,300千円)
1994年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
1993年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1992年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
|
研究概要 |
極域の電離圏・磁気圏は太陽からのエネルギーの地球への主な流入路である。このエネルギーの流入過程を研究する上で、磁力線で結ばれた南北共役点での同時観測は極めて有効な観測手段である。本研究の目的は共役点である南極の昭和基地とアイスランドを中心とした北極域においてイメージングリオメーター、可視オーロラ、地磁気変動、プラズマ波動等を総合的にかつ定量的に同時観測することにより、太陽からの電磁エネルギーの地球への流入過程と機構を研究することである。この研究はSTEP国際共同研究計画の一環でもある。 平成6年度に主に実施した海外での観測はアイスランド国内での共役点観測、グリーンランドでの極冠域オーロラ観測、スウェーデンでのオーロラ立体観測である。これらの観測・研究成果を以下にまとめた。 1 アイスランドでのオーロラ共役点観測 南極昭和基地の地磁気共役点である、アイスランドにおいてオーロラ現象の共役点観測を8月末から9月中旬にかけて実施した。アイスランドでの観測点はHusafell,Tjorness,Aedeyの3箇所がある。今年は、新型のオーロラTVカメラの試験実験もあったことから、最も観測規模の大きいHusafellでオーロラ光学観測を実施した。 昭和基地との同時観測が可能な期間は、月齢と日照時間との関係から、この観測期間中では9月3日から9月16日までの約2週間に限られていた。さらに、天候が悪いとオーロラ観測ができないという厳しい観測条件がある。今回の観測期間中で実際オーロラ観測が実施できた日は6日間あった。この中で、昭和基地でもアイスランドと同時に観測でき、かつ、快晴という良い条件で観測できた日は2日間であった。この2例のなかで、9月11日のイベントはオーロラブレイクアップ、パルセ-ティングオーロラ、静かなオーロラアークが出現し、可視オーロラの共役性を研究するのに大変良いデータが取得できた。 上記のHusafellでのオーロラ観測終了後には、Tjornessでイメージングリオメーターのアンテンア保守と観測装置の整備、VLF自然電波観測用のアンテナ保守を行なった。また、Aedeyではリオメーターのアンテナ保守やデータ収録装置の整備を実施した。 アイスランド滞在期間中には数回にわたり、アイスランド大学科学研究所のサエムンドソン教授をはじめ関係研究者と共同観測・研究の進め方についての打ち合わせを行なった。 2.グリーンランドでの冬期オーロラ観測 夜が最も長い真冬の期間に、グリーンランドのサンドレ・シュトロム・フヨルドにおいて高感度テレビカメラによるオーロラ観測を実施した。この場所は、地理的にも地磁気的にも高緯度に位置している。この場所で観測する利点は、真冬では昼間の時刻でも空が暗いためオーロラ観測が可能であること、そしてカスプ域に位置することからオーロラ帯のオーロラと異なった形態が出現することである。また、米国のインコヒーレントレーダーがここで稼働しているため、相互の比較観測に大変便利である。さらに、ここでのオーロラ観測期間に合わせ、同期間中にグリーンランドの他の2点(ゴッドハ-ブンとウパナビ-ク)での同時観測も計画されていた。 観測は順調に実施できた。特に12月下旬には天候も良くかつオーロラの活動も活発であったことから、1日中にわたって興味深い貴重な観測データが得られた。コロナ状オーロラ、南北オーロラ、周期的伝搬オーロラなどカスプ域特有のオーロラが頻繁に出現し、出現頻度と発生時刻との関連がかなり明らかになった。 3.スウェーデンに於けるオーロラ立体観測 三角点測量の原理を利用した、オーロラの立体構造を正確研究する目的で、スウェーデン側との国際共同でこの研究が計画された。観測地点はスウェーデン国内において、予め最も効果的に観測できる地点を計算し決められた。その観測点10数点のうち、日本側が2点を受け持った。観測はほぼ計画どうりに実施することができた。また、オーロラアークの最小の厚さを観測するための特殊テレビカメラも導入し、ユニークな観測を実施できた。
|