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大学における情報処理教育カリキュラムの具体化と評価方法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04044188
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
研究機関東京農工大学

研究代表者

高橋 延匡  東京農工大学, 工学部, 教授 (70111630)

研究分担者 SHAPIRO Stua  ニューヨーク州立バッファロー大学, 理学部, 教授
RALSTON Anth  ニューヨーク州立バッファロー大学, 理学部, 教授
KERSHNER Hel  ニューヨーク州立バッファロー大学, 理学部, 教授
SELMAN Alan  ニューヨーク州立バッファロー大学, 理学部, 教授
中森 眞理雄  東京農工大学, 工学部, 教授 (00111633)
大岩 元  慶應義塾大学, 環境情報学部, 教授 (20011679)
都倉 信樹  大阪大学, 基礎工学部, 教授 (10029423)
牛島 和夫  九州大学, 工学部, 教授 (40037750)
野口 正一  東北大学, 応用情報学研究センター, 教授 (80006220)
研究期間 (年度) 1992
研究課題ステータス 完了 (1992年度)
キーワードカリキュラム / 頻出概念 / コンピュータサイエンス / 知識ユニット / デニング図 / BFカリキュラム / 評価 / 抽象化
研究概要

わが国の大学の情報処理教育のカリキュラムは米国に比べると著しく遅れているというのが通説であった。本研究代表者および分担者は情報処理学会の「大学等における情報処理教育の改善のための調査研究」で中心的な役割を果たし,コンピュータサイエンスのモデルカリキュラムJ90の作成に貢献した。しかし,J90を各大学で具体化して実現するには,授業時間配分や担当教員の割り振りなど多くの問題を解決しなければならないことが明らかになった。
そこで,本年度は,米国で,過去にコンピュータサイエンスのモデルカリキュラムを各大学で具体化して実現する際にどのようにしたかを調査することにした。
まず,予備調査として,ACM(米国計算機学会)が1988年に発表したコンピュータサイエンスの見取図である9行3列のマトリクス(以下では「デニング図」と呼)をカリキュラムの評価に使うことが可能かどうかを検討した。デニング図の各行は1アルゴリズムとデータ構造,2計算機アーキテクチャ,3人工知能とロボティックス,4データベースと情報検索,5人間と計算機のコミュニケーション,6数値的計算と記号的計算,7オペレーティングシステム,8プログラミング言語,9ソフトウェアの方法論とソフトウェア工学に対応する。デニング図の各列は(1)理論,(2)抽象化,(3)設計に対応する。個々の大学のコンピュータサイエンスのカリキュラムについて,その各授業科目をデニング図の27(=9×3)の枠にあてはめてみることにより,そのカリキュラムの特徴が明らかとなる。
さらに,もう一つの予備調査として,ACMが1991年に発表したコンピュータサイエンスの頻出概念について,カリキュラム評価の手法として使うことが可能かどうかを検討した。ACMの頻出概念は(A)バインディング,(B)大規模問題の複雑,(C)概念的および形式的モデル,(D)一貫性と完全性,(E)効率,(F)進化とその影響,(G)抽象化の諸レベル,(H)空間における順序,(I)時間における順序,(J)再利用,(K)安全性,(L)トレードオフとその結果,の12から成る。検討した結果,ACMの頻出概念はきわめて重要なものを含んでいるが,(a)これら12個の概念は互いに独立であるか,(b)これら12個の概念はコンピューサイエンスを完全に覆っているか,についてさらに詳しく検討する必要があることがわかった。
以上の予備調査を行った上で,米国ニューヨーク州立大学バッファロー大学計算機科学科を訪問し,共同研究を行った。研究の方法は,デニング図を含むカリキュラム評価方法やコンピュータサイエンスの頻出概念について,日米双方の研究代表者・分担者が見解を述べ,互いに賛否の意見を出し合う,という形で行った。この過程で,バッファロー大学ではデニング図を用いて自己点検・評価を行っていることが示された。
ACMの1991年報告書では「広がり優先方式」(以下,「BF方式」と呼ぶ)によるカリキュラム編成方式が紹介され,それを実現するために多数の「知識ユニット」が提案されている(もちろん,それらの知識ユニットを組み合わせて,学問体系に沿って教える伝統的なカリキュラムを編成することも可能である)。このBF方式カリキュラムについても議論した。米国分担者達はBF方式カリキュラムを試みたが,現在は伝統的なカリキュラムに復帰しつつあるという見解であった。ACMのSIGCSE研究会の研究発表の内容を調べた結果,非BF方式カリキュラムに対する支持が強いことが確かめられた。もっとも,教育は必然的にBF的面を有するものであり,BF方式カリキュラムが妥当であるか否かという問題は,知識ユニットをどの程度の大きさにするのが適切であるかという問題に帰着され,今後の検討課題となった。
本研究の期間中に,ACMのSIGCHI研究会から人間と計算機のコミュニケーションを主題とするカリキュラム案が発表された。このカリキュラム案に伴って紹介されている演習課題についても検討した。この分野は日本が大きな貢献をすることが可能な分野であり,今後の研究課題とすることにした。

報告書

(1件)
  • 1992 研究成果報告書概要
  • 研究成果

    (11件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (11件)

  • [文献書誌] 下村秀樹: "最小コストパス探索モデルの形熊素解析に基づく日本文誤り検出の一方式" 情報処理学会論文誌. 33. 183-194 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 竹田尚彦: "プログラム開発体験に基づくソフトウェア技術者育成カリキュラム" 情報処理学会論文誌. 33. 944-954 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 竹田尚彦: "英文タッチタイピング練習プログラムにおける誤り検出アルゴリズム" 情報処理学会論文誌. 33. 1224-1234 (1992)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 古川善吾: "ランデブー通路を用いたAda並行処理プログラムのテスト十分性評価" 電子情報通信学会論文誌(D-I). J75. 288-296 (1992)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 三浦康史: "最速経路問題を解く分散アルゴリズム" 電子情報通信学会論文誌(D-I). J75. 944-946 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 木村成伴: "プロセスの枚挙に基づいた代数的プロセスの合成" 電子情報通信学会論文誌. J75. 1132-1143 (1992)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Hideki SHIMOMURA: "A Method for Detecting Errors in Japanese Santences Basedon Morphologicol Analysis Using Minimal Cost Path Search" Transaction of Information Processing Society of Japan. 33. 457-464 (1992)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Naohiko Takeda: "A Curriculum for Developing Software Engineers Discipline through Program Development Experiences" Transaction of Information Processing Society Japan. 33. 944-945 (1992)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Naohiko Takeda: "A Fost Algorithm for Detecting Errors of Novice Typists" Transaction of Information Processing Society of japan. 33. 1224-1234 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yoshigo FURUKAWA: "Reliablity of the Rendezuous Path Testing Criterion for Ada Concurrent Programs" The Transaction of the Institute of electronics, Information and Communication Engineers. J75. 288-296 (1992)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yasushi MIMURA: "Distributed Algorithm for the Quickest Path Problem" The Transaction of the Institute of electronics, Information and Communication Engineers. J75. 1132-1143 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1992 研究成果報告書概要

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公開日: 1994-03-24   更新日: 2016-04-21  

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