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大型光学赤外線望遠鏡計画における赤外用光学設計

研究課題

研究課題/領域番号 04044201
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
研究機関国立天文台

研究代表者

小平 桂一  国立天文台, 光学赤外線天文学研究系, 教授 (60012845)

研究分担者 TOKUNAGA Ala  ハワイ大学, 天文研究所, 教授
成相 恭二  国立天文台, 光学赤外線天文学研究系, 教授 (50012844)
研究期間 (年度) 1992
研究課題ステータス 完了 (1992年度)
キーワード大望遠鏡 / 赤外光学系 / マウナケア観測所 / 振動副鏡
研究概要

国立天文台でハワイ島マウナケア山頂に建設中の8m大型反射望遠鏡「すばる」は、赤方偏移の大きな宇宙の涯の天体や、誕生しつつある恒星や惑星からの赤外放射を捉えて、高い解像力の観測を行うことを主眼に設計・製造が進められている。
マウナケア山は高度が4200mあって、赤外線観測には世界一の適地とされ、ハワイ大学天文研究所及びマウナケア国際観測所には約15年間にわたる実測データが蓄積され、現在もデータがとられつつある。一方、ここ数年の技術的発展によって利用されるようになった赤外線の二次元検出器の出現により、赤外用の望遠鏡や観測装置の設計思想に大きな変革がもたらされつつある。すなわち赤外線でも詳しい映像を観測することが可能となり、しかも大気乱流の解像力への悪影響の度合いが可視域よりも格段に少ないらしいことが判ってきた。
そのため、「すばる」の赤外用光学系の設計をさらに最適化する必要に迫られ、主光学系設計を担当してきた成相がハワイに長期滞在して現地研究者とともに実測データに基づいた設計検討を行った。その結果として得られている成果は次のとおりである。
1.「すばる」の主焦点、カセグレン焦点、ナスミス焦点いずれにおいても赤外線観測を可能とする。
2.主焦点では赤外用の広写野補正系が必要となるが、その基本設計を完了した。
3.カセグレン焦点についてはF/12.2の写野6分角を有するリチクレチアン赤外光学系と、狭写野高解像用のF/35赤外光学系を設計した。
4.F/35赤外光学系では、中間赤外域での解像限界(〜0.″2)に迫れるように収差を0.″1以下に押さえるため、能動支持を活用して主鏡面の変形をとり入れた設計を行った。
5.F/35赤外光学系用の副鏡は振動機構を備えていて、写野差分観測とともに、高速の微小振幅迫尾機能(チップ・チルト)を持つように設計した。
6.赤外用副鏡の中央部に円錐状鏡を付設することにより、主鏡中央穴からの熱放射が観測雑音とならないよう工夫した。
以上により「すばる」の赤外用光学系の基本設計はほぼ完了したが、その過程において次のような、さらに解決すべき課題が確認された。
1.鏡筒内で副鏡部及び第三鏡部を支持するために取り付けられている支持構造(スパイダ)からの熱放射を適切に排除するよう工夫する。これは観測器内の冷却マスクの設計に取り入れる。
2.ナスミス焦点での観測では、像回転補償装置を冷却しない場合には対象天体の明るさに制約が生じる。
3.追尾装置等のデータ取得も本来なら赤外域で行うことが望ましいが、可視域CCDの赤外端検出能力を利用するとすれば、反射防止コーティング等の分光透過率に工夫を要する。
4.中間赤外域の二次元検出器は現在まだ発展段階にある、将来的に次々に換えていけるような焦点部機構を工夫すべきである。

報告書

(1件)
  • 1992 研究成果報告書概要
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 小平桂一: "Near-Infrared Imaging of Markarian 231" Publications of Astronomical Society of Japan. 44. L246-L251 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Keiichi Kodaira: "Near-Infrared Imaging of Markarian 231" Publications of the Astronomical Society of Japan. 44. L246-L251 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1992 研究成果報告書概要

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公開日: 1994-03-24   更新日: 2016-04-21  

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