研究分担者 |
STUART.C.E. ユニバーシティカレッジロンドン, 地球物理学科, リサーチフェロー
SAMMONDS.P.R ユニバーシティカレッジロンドン, 地球物理学科, リサーチフェロー
GLOVER.P.W.J ユニバーシティカレッジロンドン, 地球物理学科, リサーチフェロー
高安 秀樹 神戸大, 理学部, 助教授 (00183062)
渡辺 公雄 東北大, 工学部, 学振特別研究員
佐藤 一志 東北大, 工学部, 助手 (80235324)
土屋 範芳 東北大, 工学部, 助手 (40207410)
橋田 俊之 東北大, 工学部, 助教授 (40180814)
林 一夫 東北大, 流体科学研究所, 教授 (30111256)
松木 浩二 東北大, 工学部, 教授 (10108475)
MEREDITH.P.G ユニバーシティカレッジロンドン, 地球物理学科, リーダー
P.R.SAMMONDS Research Fellow, Department of Geological Sciences, UCL
P.W.J.GLOVER Research Fellow, Department of Geological Sciences, UCL
TAKAYASU H. Associate Professor,Faculty of Science, Koube University
SATO K. Assistant, Faculty of Engineering, Tohoku University
TSUCHIYA N. Assistant, Faculty of Engineering, Tohoku University
HAYASHI K. Professor, Institute of Fluid Science, Tohoku University
HASHIDA T. Associate Professor, Faculty of Engineering, Tohoku University
MATSUKI K. Professor, Faculty of Engineering, Tohoku University
C.E.STUART Research Fellow, Department of Geological Sciences, UCL
|
研究概要 |
共同研究の個別課題毎に以下列記する。 (1)岩石破壊のフラクタル評価に関する実験研究 日本側研究者(高橋・松木・渡辺)は,砂岩を用いて岩石の一軸圧縮試験中に発生するAEの測定を行った。その結果,AEのフラクタル性を表わす試験中の特徴的な変化を見つけ出した。これは,岩石の破壊において,最終破断直前にb値が著しく減少するもので,地震の予測などに応用できると期待できる。一方,英国側研究者(Meredith,Sammonds)は,ダブルトーション試験を行い,試験中に計測されるAEのb値と試験後の試験片表面に観測されるき裂群のフラクタル次元の相関関係を導いた。この成果により,水圧破砕時のAEに測定により地下き裂群が特徴づけられる可能性があることが示された。 (2)破壊モデルの構築とコンピュターシミュレーション 岩石のフラクタル破壊モデルの構築を目指して,破壊モデルとして平面格子を用いて岩石の破壊シミュレーションを行った。岩石の破壊試験におけるAE放出挙動とシミュレーション結果を比較することにより,平面格子モデルによって岩石の破壊挙動を模擬できることを示し,負荷の増加に伴う岩石中の損傷過程を調べた。 (3)地下断裂系の三次元モデル化 本年度は,地下き裂群の三次元モデル化を目指し,初めに,二次元平面上にフラクタル分布に従うき裂を分布させる方法を開発した。この手法を三次元に拡張し,寸法がフラクタル分布に従う円盤き裂を三次元空間に分布させフラクタル特性を調べた。これにより,三次元フラクタル分布と,分布空間を横切る二次元平面上に観察されるき裂群の二次元フラクタル分布の関係をあきらかにし,さらに,地熱貯留層のモデル化へ適用し,き裂群を介して熱抽出性能評価を行った。この結果,フラクタル幾可学を用いた地下き裂群モデルにより,より現実的な寿命評価ができるようになった。 (4)地殻応用計測 地殻応用の大きさとその方向が地下き裂群の三次元的分布に極めて強く影響することは明らかであるが,その測定・評価方法の整備が遅れている。日本側(松木・林)は独自で開発した方法の応用を英国側と相談し,その実用化にあたっての基本的問題点を解決した。 (5)地下断裂系の連結性評価 「フラクタル破壊力学」の応用化へのスッテップとしては,き裂の連結性・透水性評価が最も重要である。現在までにフラクタル幾可学に基づく3次元地下き裂のモデル化手法は完成した。このモデルを用いて,連結確率や透水性の計算を行った。この結果,連結確率や透水性が岩体のき裂密度をパラメータとして定量的に評価できるようになった。この成果は平成4年7月に行われた「地下き裂のキャラクタリゼーションワークショップ」で発表された。
|