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高分解能観測による太陽物理学の研究

研究課題

研究課題/領域番号 04044206
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
研究機関国立天文台

研究代表者

柴田 一成  国立天文台, 太陽物理学研究系, 助教授 (70144178)

研究分担者 M Schussler  キーペンホイヤー太陽物理学研究所, 助教授
E Schroter  キーペンホイヤー太陽物理学研究所, 教授
北井 礼三郎  京都大学, 理学部, 助手 (40169850)
黒河 宏企  京都大学, 理学部, 助教授 (80135508)
常田 佐久  東京大学, 理学部, 助教授 (50188603)
末松 芳法  国立天文台, 太陽物理学研究系, 助手 (50171111)
平山 淳  国立天文台, 太陽物理学研究系, 教授 (20012841)
SCHUSSLER M.  Kiepenheuer Institut fur Sonnenphysik
SCHROTER E.  Kiepenheuer Institut fur Sonnenphysik
研究期間 (年度) 1992
研究課題ステータス 完了 (1992年度)
キーワード太陽物理学 / 太陽磁場 / 人工衛星 / 太陽コロナ / 彩層 / 光球 / 粒状斑 / 太陽黒点
研究概要

1991年夏に打ち上げられたわが国の太陽観測衛星「ようこう」は,太陽コロナやフレア爆発について次々と新しい発見をもたらしている。「ようこう」衛星を支援する地上の観測施設も整備され,国立天文台と京都大学を中心として,可視光を用いた太陽の磁場・フレア爆発の観測をもとに,太陽の表面からコロナにいたる様々な磁場構造とその中で起こる活動現象についての研究が活発に行われている。これらの成果をより一層大きなものとするため,太陽の高分解能スペクトル観測について豊富な経験と優れた研究業績を有するドイツ連邦共和国の太陽研究者との共同研究を計画した。ドイツを始めとするヨーロッパ各国は,観測環境の良いスペイン・カナリー諸島の高山の上に観測施設を有して,良質の観測データを得ている。これらのデータを共同で解析し,太陽表面の磁場やプラズマの流れがどの様にして彩層・コロナの微細構造を形成するのかを明らかにすることが本共同研究の目的である。
平成4年12月に日本側研究者5名がドイツ連邦共和国フライブルク市のキーペンホイヤー太陽物理学研究所と,スペイン・カナリー諸島テネリフェ島にある同研究所の観測施設,およびこれと密接な連携を取って観測を行っているカナリー諸島ラパルマ島のスウェーデン王立天文台の観測施設を訪間した。フライブルク市キーペンホイヤー研究所では,「ようこう」と地上の観測施設とでどのような共同観測を行うことが重要かを議論した。その結果いくつかのテーマが挙げられたが,日本とカナリー諸島とで9時間の時差があり,夏期には連続して20時間近い観測が行えることを生かして,誕生して間もない若い活動領域(浮上磁場領域)の成長過程を高分解能で観測することを主な研究目的として設定した。浮上磁場領域は速い時間発展を示すので,連続した観測を行うことで重要だからである。この他,研究者個人ベースでの共同研究テーマもいくつか設定した。(1)光球・彩層における輝点の相互関係,(2)スピキュールの速度構造,(3)黒点半暗部の微細構造,等である。これらについては,担当者が連絡を取りながら直ちに実施することにした。
引き続いてカナリー諸島の観測所を視察し,観測機器の構成,性能について把握し,共同観測を行うに当たっての留意点についてドイツ側の観測担当者と打ち合わせを行った。日本側,ドイツ側共に,Hα線,カルシウムK線の画像取得を主体とし,日本側はさらに,通常行っているヘリウム10830Å画像,磁場観測も実施する。ドイツ側でも同様の観測が可能であるかどうか,検討を依頼した。日本側としては,ドイツで開発中のファブリ・ペロー干渉計を使った2次元分光観測を強く希望したが,装置が一般ユーザーに解放できる段階にいたっていないということで,将来のテーマとして残すことで合意した。
ドイツ側では2月に観測プログラム委員会の審議を終え,平成5年8月3日からの10日間をこの共同観測に割り当てた。日本側はこの共同研究を「ようこう」プログラム委員会に提案し,承認を待っている。日本側研究者はこの共同観測期間中,カナリー諸島において観測を行う計画である。
平成5年3月には,日本側研究者2名が再びフライブルク市キーペンホイヤー太陽物理学研究所を訪問し,観測計画の詳細を打ち合わせた。また,現在計画立案中の次期太陽観測衛星について,どのような研究テーマが重要か,どのような観測機器を搭載すべきかについて会合を持ち議論を行った。この議論の結果は,現在とりまとめを行っている次期太陽観測衛星提案書に盛り込まれる予定である。ドイツ側がDFG(Deutsche Forschungsgemeinschaft)に申請していた研究課題も1993〜1994年の2年間にわたって採択されたので,これに伴う共同研究,特にドイツ側研究者の来日にともなう研究の内容について協議した。
以上のように,今年度は共同研究の端緒を開くことができ,具体的成果については次年度以降,科学研究費補助金・国際学術研究または日本学術振興会日独科学協力事業によって鋭意努力して行きたいと考えている。

報告書

(1件)
  • 1992 研究成果報告書概要
  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] K.Shibata et al.: "Observations of X-Ray Jets Using Yohkoh Soft X-Ray Telescope" Publ. Astron. Soc. Japan. 44. L173-L179 (1992)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] K.Shibata et al.: "Magnetic Reconnection Associated with Emerging Magnetic Flux" Publ. Astron. Soc. Japan. 44. 265-272 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] T.Hirayama: "The Current Sheet and Joule Heating of a Slender Magnetic Tube in the Upper Photosphere" Solar Phys. 137. 33-50 (1992)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] T.Sakurai et al.: "Flare-Related Relaxation of Magetic Shear as Observed with the Soft X-Ray Telescope of Yohkoh and with Vector Magnetographs" Publ. Astron. Soc. Japan.44. L123-L127 (1992)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] H.Kurokawa et al.: "H-alpha Surge Activity at the First Stage of Magnetic Flux Emergence" Publ. Astron. Soc. Pacific. (1993)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] J.Kubota et al.: "The Sudden Disappearance of a Dark Filament Observed on October 26, 1989" Solar Phys.139. 65-79 (1992)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Y.Suematsu et al.: "On the Coronal and Prominence Structures Observed at the Total Solar Eclipse of 11 July 1991" IAU Symp. 154. (1993)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] K.Ichimoto et al.: "Magnetic Field Observation with the Solar Flare Telescope" Publ. Astron. Soc. Pacific. (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1992 研究成果報告書概要

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公開日: 1994-03-24   更新日: 2016-04-21  

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