研究分担者 |
馮 偉亭 華東工業大学, 副教授
陳 離 華東工業大学, 副教授
史 大椿 華東工業大学, 副教授
陳 康民 華東工業大学, 教授
陳 林 華東工業大学, 教授
周 鵬飛 華東工業大学, 教授
梅田 倫弘 東京農工大学, 工学部, 助教授 (60111803)
佐藤 勝昭 東京農工大学, 工学部, 教授 (50170733)
小林 駿介 東京農工大学, 工学部, 教授 (90015123)
斉藤 忠 (齊藤 忠) 東京農工大学, 工学部, 教授 (30215545)
FENG Weiting East China Univ.of Technology, Assoc.Professor
LI Chen East China Univ.of Technology, Assoc.Professor
KANGMING Chen East China Univ.of Technology, Professor
LIN Chen East China Univ.of Technology, Professor
PENFEI Zhou East China Univ.of Technology, Professor
梁 月山 上海機械学院, 助教授
賀 莉清 上海機械学院, 学科主任
凌 世徳 上海機械学院, 学科主任
戴 興慶 上海機械学院, 研究所長
吉沢 徹 東京農工大学, 工学部, 教授 (80020387)
|
研究概要 |
光という技術を中心として電子技術,機械技術を結び付けて新たなる分野を形成しようというオプトメカトロニクスに関して,その概念を明確化し,さらに具体的な事例としていくつかの専門領域からのアプローチをはかろうという立場から本国際学術研究はスタートした。 その初年度にあってはオプトエレクトロニクス領域からの共同研究を行なうこととして,とくにその基板となる新素材の一つである超硬質膜のダイヤモンド薄膜の合成を目的とし装置の開発と薄膜の電子物性,機械物性の評価を行なった。また高機能性ソーラーエレクトロニクスの確立のために計算機シミュレーションによる検討を中国側とともに実行し,また偏光解析の手段によって実験的な性能評価も行なった。日本側からは2名が上海を訪問してセミナーを開き共同討議をするとともに,中国側からも2名が来日して薄膜電子物性の評価法や光高機能エレクトロニクスの現状と将来について講演し討論を行なった。 次いで2年目についてはオプトメカトロニクスへの機械工学,とくに精密計測工学からの検討を共同研究した。日本側は物体形状の精密計測に力点を置き,中国側は熱流体の計測および日中共同では物体の長さ測定や測定機器の性能評価を課題の中心に据えた。まず三次元形状の計測という観点からモアレ法およびパターン投影法に関してシステムの完成をはかったが,このためには中国側からも研究結果のいくつかを提出してもらい実用性を高めることができた。また表面形状のミクロな計測を行なうために走査プローブ顕微鏡の高精度化と実利用を目指した。日本側でシステムの開発を行なうとともに,中国側からは具体的に計測を行ないたいサンプルなどについて実際的なテストの希望が出され,適用の可否の検討が詳細に行なわれた。こうした議論を踏まえて,とくにウイナ-縞を利用した顕微鏡の改良が進展した。また討論にヒントをえることによって,ガラスのような物体の中の異方性をとらえる複屈折測定技術に関して新たなる試みを開始することとした。こうしたけっかについては日本側から2名が訪中し講演と共同討議を行なった。 中国側は熱流体を中心とした画像計測技術およびデータ処理法に関して2名が来日のうえで広く調査を行ない報告をまとめるとともに,日本における関連技術についても詳細に調査検討を行なった結果,多くの知見をえることができた。さらに画像技術の精度向上に欠かすことのできない光学部品類,とくにレンズ性能の評価技術については討論を行なった結果,今後の光学系評価に役立つ成果を得ることができた。 オプトメカトロニクスの概念は多面性をもつ融合技術であるために,最終年度はとくにエレクトロニクスの立場を中心とした研究調査を行なった。日本側は液晶および光磁気記録に力点を置き,中国側は精密位置決め素子および磁気光学効果に対象を絞った。その結果,磁気光学材料の特性を日中共通の調査研究の課題とし,さらに長さや角度の精密測定や液晶の性能評価についても意見交換を行なった。まず日本側の1名が上海に赴き,液晶ディスプレイ技術の現状と問題点について講演を行ない最新の動向について述べるとともに今後予測される状況や応用発展の方向性などについての討議をした。また中国側からは液晶ディスプレイに深く関連する技術である薄膜技術について現状が述べられ,互いに将来展望を含めた意見交換をした。さらに液晶応用に関連する基礎技術である電気光学効果については,液晶を中心としての理論的また実験的な検討をし,共同での研究をしめくくった。 さらに時間をおいて日本からさらに1名が同じく上海を訪問し,華東工業大学および関連する研究機関である上海冶金研究所において研究調査を行なった。 このようにして共同研究の結果に基づいての研究成果が着実に生まれたおり,液晶関連技術,光磁気効果物質の研究,ソーラーエレクトロニクス,精密計測技術などにあって,数多くの論文が発表されるようになった。
|