研究課題/領域番号 |
04045023
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 大学協力 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
古屋 一仁 (1993-1994) 東京工業大学, 工学部, 教授 (40092572)
柊元 宏 (1992) 東京工業大学, 工学部, 教授 (50013488)
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研究分担者 |
SUH Eun Kyun 全北大学, 助教授
SEO Jae Hyun 全北大学, 助教授
LIM KeeーYoun 全北大学, 助教授
LEE Hyung Ja 全北大学, 教授
伊賀 健一 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (10016785)
柊元 宏 東京工業大学, 工学部, 教授 (50013488)
高橋 清 東京工業大学, 工学部, 教授 (10016313)
SEO Jae Myun 全北大学, 助教授
EUN Kyung Su 韓国, 全北大学・半導体物理研究センター, 助教授
JAE Myung Se 韓国, 全北大学・半導体物理研究センター, 助教授
KEE Young Li 韓国, 全北大学・半導体物理研究センター, 助教授
HYUNG Jae Le 韓国, 全北大学・半導体物理研究センター, 教授
古屋 一仁 東京工業大学, 工学部, 教授 (40092572)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1993年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 超高速エレクトロニクス / オプトエレクトロニクス / 量子効果エレクトロニクス / 日韓学術交流 / 全北大学半導体物理研究センター / 日韓合同シンポジウム / 半導体物理研究センターシンポジウム / 21世紀に向けたオプトエレクトロニクス / 半導体 / 半導体材料 / 半導体デバイス / ヘテロ構造 / 量子構造 |
研究概要 |
平成6年8月22日から26日に東京工業大学に韓国側から2名の研究者を招き、日本側からの研究者と超高速エレクトロニクス研究棟にて研究討論を行った。同時期に東京で開催された国際会議「固定素子材料コンファレンス」に韓国側および日本側研究者が共に参加して研究動向を調査し研究の現状および今後の方針について討論した。 平成6年11月24日から27日に韓国全北大学で開催の半導体物理研究センターシンポジウムに日本側研究者1名が参加し招待講演発表を行い、韓国側研究者らと研究討論を行った。半導体物理研究所の研究実験施設および設備を見学し、今後の共同研究について討論し意見交換を行った。 平成7年1月26日から1月27日に韓国側研究者2名を東京工業大学工学部に招聘し、日本側研究者と研究討論を行った。日本側からは今年度発足した量子効果エレクトロニクス研究棟の研究実験施設および設備の説明を行い、研究討論ならびに意見交換を行った。 以上の研究交流によりお互いの研究課題、研究方法についての相互理解を深め具体的方法の議論が始まった。本学術交流により相互理解がたいへんに深まった。 これらの交流研究テーマである半導体物理に関して研究を推進し、以下の研究成果を挙げた。半導体中での電子の無衝突伝導について特に量子論的波動性を評価した。ホットエレクトロンの位相コヒーレンスを電子波のファブリペロ-共振器、すなわち、二重障壁共鳴トンネルダイオード、の共鳴エネルギー幅から定量的に求めることを研究した。まず、対称二重障壁共鳴トンネルダイオード(DBRTD)にバイアス電圧が印加されて非対称構造になった場合の共鳴エネルギー幅を電子の位相緩和現象を考慮して理論解析し、共鳴エネルギー幅と位相コヒーレンス長との関係を解明した。 理論解析の結果、共鳴エネルギー幅は、(1)位相コヒーレンス長、(2)構造パラメータ(主には、障壁幅と井戸幅)、(3)構造不均一性(ヘテロ界面の凹凸による井戸幅の不均一および不純物イオンのランダムな配置による)、依存することが解明された。さらに適切な範囲で共鳴エネルギー幅のパラメータ依存性を実験的に調べることにより、それぞれの要因を分離して位相コヒーレンス長を抽出できることを明らかにした。上記の理論検討結果に基づいて、OMVPE法でGalnAs/InP DBRTDを作成し、ダイオードの電圧電流特性を測定し、共鳴準位相を土屋・榊らの方法、すなわち電圧-電流特性の二階微分カーブの幅を測定することにより求めた。障壁幅依存性からは測定した共鳴エネルギー幅には障壁を通しての外部との結合の影響は含まれず、位相コヒーレンス長は70-120nmと推定される。 一方、井戸幅依存性の実測結果からは、我々の作成したRTDの井戸幅の揺らぎ幅は0.7nm以下であり測定した共鳴エネルギー幅には井戸幅の不均一の影響が含まれないことを示している。さらに井戸内にランダムに配置された不純物イオンの影響を除去して共鳴エネルギー幅を測定する方法として、RTDのエミッタを微細化し、エミッタ直下の井戸内に不純物イオンが一つも存在しない状況を作りだすことを考察した。ところがエミッタを微細化すること自体によりRTDの共鳴エネルギー幅が増大することが理論的に解明された。この結果から、微細エミッタを用いて共鳴エネルギー幅を測定し、エミッタ微細化そのものによる影響を排除したコヒーレンス長を求めることが可能になった。 上記のDBRTDの電圧電流特性の二階微分から共鳴エネルギー幅を測定する方法では4Kまでの低温でしか測定できない。より高温でのホットエレクトロンのコヒーレンス長を評価するために、3重障壁共鳴トンネルダイオード(TBRTD)の共鳴エネルギー特性を用いることに着目し位相緩和を考慮して理論解析を行った。その結果、極低温から100Kまでの温度範囲で、J-V特性から位相コヒーレンス長を評価できることが判明した。この結果により77K程度までの温度で半導体中の位相コヒーレンス長を測定することが可能になった。
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