研究課題/領域番号 |
04151004
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
西 信三 北海道大学, 医学部 (20001894)
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研究分担者 |
武田 和久 岡山大学, 医学部, 教授 (50033080)
谷口 直之 大阪大学, 医学部, 教授 (90002188)
高橋 俊雄 京都府立医科大学, 教授 (50079828)
酒井 正春 北海道大学, 医学部, 助教授 (50162269)
谷内 昭 札幌医科大学, 学長 (50045324)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
15,900千円 (直接経費: 15,900千円)
1992年度: 15,900千円 (直接経費: 15,900千円)
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キーワード | AFP / GST-P / CEA / キメラ抗体 / 癌抗原 / 抗体複合体 / 肝癌 / Mn-SOD |
研究概要 |
〈成果〉AFP:AFPの構造と機能を研究する為野性及び変異型リコンビナント蛋白をイースト菌に生産させた。ヒトAFPはエストロゲン結合能はないが9個の近接するアミノ酸を変換する事により結合能を付与し得た。脂肪酸、ピリルビン、銅イオンの結合部位を検討し、その幾つかを特定した。AFPを産生し続けるトランスジェニックマウスを作製した。GST-P:遺伝子発現機構につきさらに検討を進め、Fos、Jun以外にも関与する因子が存在する場合がある事を認めた。又変異リコンビナント蛋白を作製し活性部位、脂肪酸部位などの同定を行った。Mn-SOD:培養細胞及び実験動物を用いてその発現機序につき検討を行った。大腸癌抗原:A7抗体と抗癌剤の複合体が一定の効果がある事を確認した。又ヒト型キメラ抗体を開発しその特性を解析した。CEA:CEA類縁抗原のうち類粒球のNCAの6種以上の分子種を蛋白及び遺伝子レベルで同定した。そのうちには細胞接着活性を示すものが存在した。ムチン抗原:ムチンコア蛋白MUC1の抗体又は抗原(MUC1)が病的状態で血中に出現する事を明らかにした。従来研究していたMUSE11抗体はMUC1とも反応性を示した。 〈所見〉AFPの糖鎖の癌性変化の肝癌早期診断の価値はさらに確立された。その構造や新たな亜分画も明らかになり、さらに発展が期待される。エストロゲン結合能を有するヒトAFPがラットAFPなどと同様にエストロゲン依存性腫瘍を抑制するかどうかは臨床応用の可能性もあり興味深い。A7抗体は80例を越える臨床例で使用され副作用がなく効果も一部には認められていた。その作用を患者血中に生ずる抗マウス抗体が妨げていたとも思われるが、今回の抗体はそれを防く可能性が大きい。CEAとその類縁抗原の構造は松岡らによりクローニングなど広範な研究で明らかとなりつつある。今後は細胞接着活性などその機能の研究が期待される。
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