研究課題/領域番号 |
04151006
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
菅村 和夫 東北大学, 医学部, 教授 (20117360)
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研究分担者 |
淀井 淳司 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80108993)
丹生谷 博 国立がんセンター研究所, 主住研究官 (60135936)
野阪 哲也 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (30218309)
清木 元治 金沢大学, がん研究所, 教授 (10154634)
藤沢 順一 東京大学, 医科学研究所, 助手 (40181341)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
16,000千円 (直接経費: 16,000千円)
1992年度: 16,000千円 (直接経費: 16,000千円)
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キーワード | ATL / HAM / HTLV-I / p40^<tax> / HILV-I感染ラット |
研究概要 |
細胞癌化に重要な役割を果たしているHTLV-Iのトランスアクチベーターp40^<tax>の作用機作の解析が進んだ。p40^<tax>はc-fos,egr-1,2等の細胞性初期遺伝子群の発現を増強することをすでに示した。この作用はCArGボックスを介して誘導される。p40^<tax>はCArGボックスに直接結合するSRFと直接結合し、SRFの転写活性化能に影響を与える。転写活性化にかかわる領域に変異があるp40^<tax>はSRFとの結合能は保持していても、SRFを活性化できない。この変異はVP16の転写活性化領域と置換可能である。p40^<tax>はCREB,CREMとも結合し、この複合体がHTLV-I LTRの21bpエンハンサーに結合する。また、HUT102細胞の核抽出液中の21bp,NF-κB配列各々に結合活性を持つ分画にはin-vitroでエンハンサー特異的な転写活性能を認めたが、p40^<tax>のみの分画には転写性化は認められなかった。これらの知見により、p40^<tax>はエンハンサーに直接結合する因子と基本転写因子の架け橋の役割を果たしている可能性が考えられる。HTLV-I感染ラットがHAM様症状を呈した。HTLV-I産生細胞株であるMT-2をWKAラットに静注することにより、HTLV-I持続感染ラットができる。感染後1年以上後に前後肢の痙性麻痺等のHAM様症状を呈した。病理所見にて、下部胸髄の後索、側索を中心に変性が認められ、マクロファージ等の細胞浸潤も見られた。他の系統ラットのHTLV-I持続感染ラットではHAM様症状は見られず、発症には遺伝的素因の関与の可能性がある。HTLV-I感染細胞に持続的に発現する高親和性IL-2受容体は従来のα鎖β鎖サブユニットに加えγ鎖が必須であることを明らかにし、γ鎖遺伝子のクローニングに成功した。γ鎖はサイトカイン受容体ファミリーに属しIL-2による細胞増殖の情報伝達に不可欠の分子である。
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