研究課題/領域番号 |
04151013
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石川 隆俊 東京大学, 医学部, 教授 (30085633)
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研究分担者 |
真木 寿治 東京大学応用微生物研究所, 助教授 (20199649)
岡田 茂 岡山大学, 医学部, 教授 (20033201)
多田 万里子 愛知がんセンター研究所, 室長 (90073113)
清水 昭男 神奈川がんセンター臨床研究所, 研究員
田ノ岡 宏 国立ガンセンター研究所, 部長 (90076969)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
21,300千円 (直接経費: 21,300千円)
1992年度: 21,300千円 (直接経費: 21,300千円)
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キーワード | 化学発癌 / イニシエーション / 宿主・臓器環境 / 発癌リスク / 細胞動態 / DNA修復 / 活性酸素 / DNA鋳型活性 |
研究概要 |
本研究班は生体や組織が病的状態あるいは特殊な環境下におかれるとき発癌のイニシエーションリスクがいかに変動するかを知ることを目的とする。本年度に得られた成果について報告する。 1.肝癌と肝硬変症との関連を調べるために、生検肝組織をBrdUにて標識し、S期細胞(LI)を検索したところ、肝硬変症についてLI高値群と低値群に分類され、高値群から早期に肝癌が発生することがわかった。 2.男性腎細胞癌患者176名について職業歴を調査したところ、溶接歴のある者19名(11.2%)に有意の差をもって発生した。また実験的にラットで鉄含有溶接炎を吸入させると鉄が腎臓に達することがわかった。 3.DNAの高次構造がDNA損傷の形成に影響を与えることが判明した。発癌物質アセチルアミノフルオレン(AAF)の付加体を特定の部位に持つDNAを調整し、DNA合成の鋳型活性を調べると、DNAの高次構造によってAAF加体によるDNA合成にブロックのパターンが異なることが示された。またアルキル化剤MNUによるプラスミドDNAを標的とする突然変異の形成では標的遺伝子の特定の部位にきわめて特異的な変異が形成された。また転写の程度をかえるとそれに応じて変異誘発部位の特異性が変化した。これは最初の発見で大きなインパクトを与えるものと思われる。 以上のように肝疾患、鉄過剰等の病的人体材料についてイニシェーションリスクについてのデータが提出された。研究分担者は各々の実験系を工夫し、意欲的にとり組み、細胞動態、薬物代謝、自由鉄、DNA修復、DNAのミクロ環境によって発癌のイニシエーションが変動することを明らかにした。
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