研究課題/領域番号 |
04151028
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
近藤 寿人 名古屋大学, 理学部, 教授 (70127083)
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研究分担者 |
野崎 正美 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (30189394)
秦 順一 慶応義塾大学, 医学部, 教授 (90051614)
丹羽 太貫 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (80093293)
村松 喬 鹿児島大学, 医学部, 教授 (00030891)
濱田 博司 東京大学, 医学部, 助教授 (00208589)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
22,000千円 (直接経費: 22,000千円)
1992年度: 22,000千円 (直接経費: 22,000千円)
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キーワード | 胚性腫瘍 / 胚幹細胞 / N-myc / ポリオーマウイルス / スラロイドホルモン受容体 / 神経成長因子 / 転写制御因子 / 無血清培養 |
研究概要 |
胚性腫瘍、胚幹細胞で発現が著しい制御遺伝子を対象とした多彩な研究がなされた。胚性腫瘍・胚幹細胞の分化において発現が大きく変動する転写制御因子・細胞増殖因子の代表的なものが発見・同定されたが、それらは、実際の胚発生の制御において中心的な役割を果たしているとともに、悪性腫瘍の発生にも深く関わるものであることが示された。N-myc遺伝子については、胚幹細胞における相同組換えを利用して、N-myc突然変異マウスが作り出され、その突然変異体の表現型の解析から、N-mycは転写制御因子として、器官形成に積極的に関与する遺伝子を制御していると結論された。胚性腫瘍・胚幹細胞の未分化状態で活性を持つ転写因子Oct3の遺伝子の発現制御の機構が明らかにされた。未分化状態におけるレトロウイルスの抑制因子ELPがステロイド受容体遺伝子群の一員であり、とくにP450遺伝子の転写活性化因子と同じ遺伝子であることが明らかになった。ポリオーマウイルス・エンハンサーの分化状態における活性化因子として同定されたPEBP2αがショウジョウバエのrunt遺伝子産物のホモログであることが明らかになった。また、分化状態に対応した活性化因子としてG19-Znフィンガータンパク質、Etsプロトがん遺伝子産物が同定された。胚性腫瘍・胚幹細胞の分化にともなって発現される増殖因子Midkineが、胎児の脳の内在性神経成長因子であること、また、ヒト癌の多数で発現される成長因子でもあることが明らかになった。また、このような因子を検定するための無血清培養系が確立された。このように、本研究から、これまで未知であった重要な制御因子が続々と単離され、また、それらの正常な個体発生・細胞分化と腫瘍発生における役割が明らかにされつつある。
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