研究課題/領域番号 |
04151031
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐々木 正夫 京都大学, 放射線生物研究センター, 教授 (20013857)
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研究分担者 |
北山 仁志 理化学研究所, ライフサイエンス筑波研究センター, 研究員 (30231286)
押村 光雄 鳥取大学, 医学部, 教授 (20111619)
横田 淳 国立がんセンター, 研究所, 部長 (10191503)
宇都宮 譲二 兵庫医科大学, 教授 (70013901)
高井 新一郎 大阪大学, 医学部, 教授 (80028513)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
22,000千円 (直接経費: 22,000千円)
1992年度: 22,000千円 (直接経費: 22,000千円)
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キーワード | がん抑制遺伝子 / ヘテロ接合性の消失 / 発がん / 突然変異 / 家族性大腸ポリポージス / 網膜芽細胞腫 / ウイルムス腫瘍 / 遺伝性腫瘍 |
研究概要 |
がん抑制遺伝子は細胞増殖に負の制御として仂く遺伝子であるが、その機能喪失型の突然変異がんの発生や進展に深くかかわっている。本研究はヒトがんの発生や増殖に関係するがん抑制遺伝子とその機能の研究を目的とした。 家族性大腸ポリポージス(FAP)の原因遺伝子として中村らによって単離に成功したAPC遺伝子は、一般大腸がんのほか胃がんや膵臓がんにも突然変異が認められた。配隅子突然変異はその殆どが蛋白を完全に作らない型の突然変異である。網膜芽細胞腫の原因遺伝子であるRB遺伝子の配隅子突然変異のスペクトルも明らかになったが、頻度、種類共にAPC遺伝子に場合に類似してる。ウイルムス腫瘍の原因遺伝子WT1遺伝子はウイルムス腫瘍で欠失などの突然変異を示すが、ヘテロ接合性の消失(LOW)で見ると日本人患者ではWT1遺伝子の座位する11p13に限局する症例は欧米患者より多いことがわかった。発生頻度の差を説明すると共にウイルムス腫瘍の発生に11P15の別の遺伝子の関与を示唆する。P53遺伝子は多くのがんで変異を起していることを明らかにした。さらに肝癌、食道癌でその突然変異を調べた結果、G塩基の変異が多く、しかも転写されないストランド上で起こっていることは変異原の作用を示唆する。FAPに見られるような、CpG配列の関与は少なく自然別突変異と異なる。腫瘍におけるLOHの検索からがん抑制遺伝子をつきとめる努力が続けられたが、領域を限定することはできたが単離にまでは至らなかった。そのうち、子宮内膜癌細胞に1番染色体特異的cDNA発現ライブラリーをトランスフェクトし、造腫瘍性を抑えるcDNAが得られた。その構造・突然変異の同定が今後に残された課題である。がん抑制遺伝子の突然変異には対立遺伝子偏向も明らかとなった。発がんにはさらに高次の制御機構がある。
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