研究課題/領域番号 |
04151034
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池永 満生 京都大学, 放射線生物研究センター, 教授 (70025378)
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研究分担者 |
加藤 武司 大阪大学, 医学部, 講師 (90028382)
許 南浩 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70173573)
峯浦 一喜 秋田大学, 医学部, 助教授 (70134103)
早川 浩 九州大学, 医学部, 助手 (70150422)
中別府 雄作 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (30180350)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
17,500千円 (直接経費: 17,500千円)
1992年度: 17,500千円 (直接経費: 17,500千円)
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キーワード | DNA修復酵素 / O^6-アルキルグアニン / アルキル転移酵素(MGMT) / ヒトMGMT遺伝子 / Mer^-細胞 / 抗ヒトMGMT抗体 / 選択的化学療法 / アルキル塩基高感度検出法 |
研究概要 |
平成4年度の主要な研究成果は以下の通りである。 1.多くの培養ヒト腫瘍細胞株についてO^6-アルキルグアニン-アルキル転移酵素(MGMT)の活性を測定し、約20%の株が酵素活性欠損のMer^-細胞株であることを確認した(本年度に購入した炭酸ガス培養器を用いて、多数の細胞を培養することができた)。また、74例の種々の臓器の腫瘍組織のMGMT活性を測定し、そのうち6例がMGMT活性を欠損しているMer^-型の腫瘍であることを見出した。 2.MGMT遺伝子の発現制御機構を明らかにするために、ヒトMGMT遺伝子のプロモーター領域をクローニングした。CATアッセイ法によって遺伝子の発現を調べたところ、正常ヒト由来のプロモーター領域は、Mer^-細胞でもMGMT活性を有するMer^+細胞でも同でように発現した。また、Nuclear run on法によってMGMT遺伝子の転写状況を解析すると、Mer^-細胞でもMer^+細胞と同じレベルの転写開始が認められた。このことから、Mer^-細胞ではmRNAの伸長かプロセッシングに異常があるものと考えられる。 3.大腸菌で大量に発現させたヒトMGMTを用いて、これに対するポリクローナル抗体を作製した。ウエスタンブロットによる解析から、この抗体はヒトMGMTを特異的に認識することを確認した。今後は、これを用いて組織レベルでMer^-腫瘍を検出することを試みる。 4.移植脳腫瘍の系において、O^6-ベンジルグアニンの前投与によってMGMTを不活性化することでACNUに高感受性になることが明らかとなり、抗腫瘍効果の増強剤としての有効性が示唆された。 5.我々が開発したアルキル化塩基の高感度検出法(PREPI法)によって、ヒト組織のDNAにおいて1億個の塩基中の1個のO^6-アルキルグアニンでも検出できることを明らかにした。
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