研究課題/領域番号 |
04151035
|
研究種目 |
がん特別研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
永田 和宏 京都大学, 胸部疾患研究所, 教授 (50127114)
|
研究分担者 |
吉開 泰信 名古屋大学, 医学部, 教授 (90158402)
渡辺 直樹 札幌医科大学, 講師 (10158644)
大塚 健三 愛知がんセンター研究所, 主任研究員 (40150213)
丸野内 棣 藤田保健衛生大, 医学部, 教授 (90181825)
矢原 一郎 東京都臨床医学総合研究所, 部長 (60109957)
|
研究期間 (年度) |
1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
16,800千円 (直接経費: 16,800千円)
1992年度: 16,800千円 (直接経費: 16,800千円)
|
キーワード | 熱ショック蛋白質 / ストレス蛋白質 / 温熱耐性 / フラボノイド |
研究概要 |
コラーゲンに結合性を持ち、細胞のトランスフォーメイションによって発現が減少するストレス蛋白質HSP47の、ゲノム遺伝子クローニングに成功した。HSP47は6個のエキソンより成り、そのプロモーター領域には、完全に保存された熱ショックエレメント(HSE)が存在した。植物フラボノイドの一種、ケルセチンが熱ショック蛋白質の誘導のみを特異的に阻害することを見出していたが、今年度の研究によってその阻害機構を明らかにすることができた。すなわちケルセチンは、熱などのストレスによって、熱ショック転写因子(HSF)が活性化される。その活性化のプロセスを特異的に阻害することによって、熱ショック蛋白質の誘導を抑えるのである。癌の温熱療法に際して、癌細胞中に熱ショック蛋白質が誘導されることによる温熱耐性が問題となるが、ケルセチンは実際に、この温熱耐性の誘導を阻止し得ることが明らかとなった。さらに、同様にHSEをもった多剤耐性遺伝子(MDR1)のヒ素による発現をも、ケルセチンが阻害することがわかり、ケルセチンを初めとするフラボノイドの臨床応用の可能性が開かれた。 分子量40,000の塩基性の新しい熱ショック蛋白質が発見されたが、部分アミノ酸配列決定の結果、これが大腸菌のストレス蛋白質DnaJの動物細胞ホモローブであることが明らかとなった。
|