研究課題/領域番号 |
04151044
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
田原 榮一 広島大学, 医学部, 教授 (00033986)
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研究分担者 |
加藤 勝 国立がんセンター研究所, 研究員 (50233820)
河野 通明 岐阜薬科大学, 助教授 (00027335)
春日 雅人 神戸大学, 医学部, 教授 (50161047)
伊藤 文昭 摂南大学, 薬学部, 教授 (80111764)
清水 信義 慶應大学, 医学部, 教授 (50162706)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
19,000千円 (直接経費: 19,000千円)
1992年度: 19,000千円 (直接経費: 19,000千円)
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キーワード | 肝細胞増殖因子 / c-met / MAPキナーゼ / カルホスチンC / インスリンレセプター / K-sam / FGFレセプター / TGF |
研究概要 |
ヒト胃癌細胞株における肝細胞増殖因子(HGF)の生物学的作用を解析した結果、いくつかの新しい知見がみいだされた。即ち、HGFは、パラクリン増殖因子として胃癌細胞の増殖・進展・運動及び形態形成に重要な役割を担っている可能性があり、特にc-met異常発現を示す癌細胞側の接着分子と線維芽細胞由来のHGFとの相互作用が高分化腺癌と低分化腺癌の組織発生に大きく関与している可能性が示された(田原)。また胃癌ではTGFαがc-met遺伝子の誘導を惹起させること、TGFβがHGFの細胞増殖及び運動促進を増強させることが明らかにされた(田原、伊藤)。更に、41kDa・MAPキナーゼの機能がHGFを含む増殖因子の細胞増殖促進に必須であることが示唆され(河野)、その上、HGF遺伝子導入によるマウス肝細胞あるいはMKCK細胞の形質転換が起き、その場合、HGF/c-met系のループが存在することが示された(上原、神田)。 カルホスチンC(Cal-c)は、in vitroでPKCの調節ドメインに結合し光依存的に不活化するが、ヒト扁平上皮癌細胞NA及びヒト腺癌細胞A549を用いての解析により、in vivoではCal-cはPKCを阻害せずEGFレセプターリン酸化とPKCを介するシグナル伝達系を活性化しているという結論が得られた(清水)。次に、インスリンレセプターを介するシグナル伝達系では、他のチロシンキナーゼを内在するレセプターとは異なり、レセプターに直接ではなく、IRS-I蛋白にSH_2ドメインを有する蛋白が結合すると考えられ、一方、EGFレセプターの場合には、GAP及びPI_3キナーゼはその伝達物質としての役割は小さいと考えられた(春日)。サイズの異なるK-sam mRNAの構造解析より、K-sam遺伝子はFGFレセプターファミリーに属する膜貫通型レセプターのみならず分泌型レセプターをコードしていることが明らかにされた(加藤)。
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