研究課題/領域番号 |
04151056
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
小西 陽一 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00075061)
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研究分担者 |
柳澤 昭夫 癌研究会癌研究所, 病理部, 研究員 (30137963)
鎌野 俊紀 順天堂大学医学部, 第一外科, 講師 (60053138)
森 幸雄 岐阜薬科大学, 放射化学, 助教授 (30082986)
関谷 剛男 国立がんセンター研究所, 腫瘍遺伝子研究部, 部長 (70142651)
高橋 道人 国立衛生試験所, 病理部, 部長 (30080005)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
12,600千円 (直接経費: 12,600千円)
1992年度: 12,600千円 (直接経費: 12,600千円)
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キーワード | 膵癌 / 膵管上皮過形成 / c-K-ras / p53 / cholecystokinin / quinacrine / 喫煙 / 膵液 |
研究概要 |
本研究の目的は、各班員の得意な手法を用いて分子レベルから生体レベルに至る多方面より総合的に追求し、膵における多段階の発癌機構を解析し、その各段階における制御機構を解明することにある。膵発癌に関与するDNA異常については、スターの膵管癌発生過程で、前癌病変とされる異型過形成巣と膵管内癌にてc-K-rasの点突然変異が検出され、このDNA異常は膵管上皮細胞の悪性化に関与するものであることが示唆された(小西)。ヒトの膵管癌症例にはては、c+K+rasの点突然変異は13/24例(54%)にみられ、p53の変異は11/23例(49%)で、これらの変異の重複は9/24例(38%)であり、症例の臨床st ageの解析からc-K-rasの変異は、膵癌発生過程での比較的早期の異常であり、p53のそれは後期の異常であることが示唆された(関谷)。更に、膵性膵火10例の膵管上皮過形成巣にてもc-K-rasの変異は高率に検出され、この点突然変異を検出しても膵癌とは診断しえないことが示された(柳沢)。ハムスターの膵発癌に対するcholecystokininの促進効果は否定され、又、ras recision geneを誘導し、活性化rasの機能を抑制化するとされるアザチロシンの膵発癌抑制効果は否定された(小西)。合成抗マラリア剤で膵に親和性を持つquinacrineの膵発癌に対するプロモーション作用が見い出され、喫煙は、膵発癌のイニシエーションを抑制する傾向が見い出され、プロモーションに対する促進効果は否定された(高橋)。ハムスター膵に対する発癌物質であるニトロソ化合物の突然変異原性は、一次及び二次胆汁酸と膵液処理により増強することが示された(森)。雑種成犬の膵管内へハムスターにおける膵発癌物質を投予すると膵液を介して膵管癌の発生することが示唆された(鎌野)。膵癌におけるDNA異常を高率に検出し得るligase chain reactionを開発中である(三輪)。ハムスター膵発癌のイニシエイションにラ氏島細胞の関与が示唆された(石川)。
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