研究課題/領域番号 |
04152018
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
山下 哲 群馬大学, 医学部, 教授 (50025623)
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研究分担者 |
杉本 博之 群馬大学, 医学部, 助手 (00235897)
内田 勉 群馬大学, 医学部, 助手 (00160276)
保坂 公平 群馬大学, 医学部, 講師 (70108992)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1992年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | ホスホリパーゼD / リゾホスホリパーゼ / ホスファチジン酸 / ホスファチジルコリン / 情報伝達 / ras / ジメチルベンシアントラセン / 乳癌 |
研究概要 |
1.ホスファチジルコリンホスホリパーゼDのホスファチジン酸による活性化 酵素精製の過程でホスホリパーゼDの新しい活性化因子ホスファチジン酸を同定した。ホスファチジン酸は本酵素の産物でもあるので、これはホスホリパーゼDが自らの生成する産物で活性化されることを示す。この結果はアゴニスト刺激後、細胞内のホスファチジン酸、ジアシルグリセロールが長時間にわたり高レベルで維持されるという事実とよく一致している。 2.リゾホスホリパーゼの精製とホスファチジン酸による阻害 リゾホスファチジルコリンには種々の活理活性があることが知られている。リゾホスホリパーゼはリゾホスファチジルコリンの細胞内レベルを決める重要な酵素なので精製を行なった。ラット肝臓上清画分から酵増を214,000倍精製したところ、標品はSDS電気泳動で分子量60,000の均一なバンドを示した。酵素はトランスアシラーゼ活性をも有し反応中間体としてアシル化酵素を生ずることが判明した。酵素はホスホリパーゼDの産物であるホスファチジン酸とホスホリパーゼA_2の産物であるアラキドン酸によって阻害された。したがってアゴニスト刺験によってリゾホスホリパーゼの活性は低下し、リゾホスファチジルコリンレベルの上昇が起こりアゴニスト刺激の効果が増強すると考えられ、リゾホスホリパーゼのシグナル伝達への関与が示唆された。 3.DMBA誘発乳癌におけるコリンキナーゼの活性化 rasの変異と活性化を引き起こすDMBAでラット乳癌を誘発するとコリンキナーゼが正常乳腺に比ベ約10倍に上昇した。ウエスタンブロットにより活性の上昇には酵素量の増加が伴っていることが分かった。卵巣摘出により乳癌の発症は抑制されたがこれに伴いコリンキナーゼの活性上昇の程度も減少した。コリンキナーゼ遺伝子をクローニングして遺伝子上流の塩基配列を分析したところAP1、AP2、エストロゲンレセプター結合部位が見出され、ras/エストロゲンによるコリンキナーゼ誘導機構を解析する上で重要な知見が得られた。
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