研究課題/領域番号 |
04152020
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
清野 進 千葉大学, 医学部, 教授 (80236067)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1992年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | ソマトスタチン受容体 / 腫瘍 / G蛋白質 / ソマトスタチンアナログ / 細胞増殖 |
研究概要 |
平成4年度では新たに第3番目のヒトソマトスタチン受容体サブタイプ(SSTR3)遺伝子のクローニングに成功した。SSTR3は418個のアミノ酸から構成されSSTR1とSSTR2とはそれぞれ45%、46%のアミノ酸の同一性が認められた。種々の組織におけるSSTR3mRNAの発現をノーザンブロットにより観察したところ、脳と膵ランゲルハンス島(ラ氏島)で高レベル発現が認められ、SSTR1やSSTR2の発現分布とは異なっていた。またSSTR1とSSTR2mRNAの腫瘍組織における発現を検討した。グルカゴノーマや褐色細胞腫では特にSSTR2が高レベルで発現する傾向が認められた。一方ノンスリノーマ、ガストリノーマではSSTR1、SSTR2いずれも検出されなかった。消化器癌ではSSTR1が胃癌(8例中4例)、大腸癌(4例中1例)、肝癌(4例中2例)が検出されたが、SSTR2mRNAはこれらの腫瘍において検出されなかった。SSTR1、SSTR2及びSSTR3遺伝子をCHO細胞(SSTR1、SSTR2)あるいはCOS-1細胞(SSTR3)で発現する細胞株を樹立し、各受容体サブタイプの薬理学的特性を解析した。GTPγSや百日咳毒薬に対する感受性を検討したところ、SSTR2及びSSTR3はいずれも百日咳毒素感受性GTP結合蛋白質(G蛋白)と共役することが示されまた、ドーパミン受容体(D1)とSSTR3と同時に発現させた細胞株では、ドーパミンによるcAMPの産生をソマトスタチンが抑制する事実からSSTR3の効果器はアデニル酸シクラーゼであることが半明した。種々のソマトスタチンアナログと、各受容体サブタイプとの結合親和性を解析したところ、内分泌腫瘍など腫瘍縮小の目的のためにすでに臨床応用されているSMS201-995はSSTR2と最も高い親和性を示し、ソマトスタチンの細胞増殖抑制作用はSSTR3を介することが示唆された。
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