研究課題/領域番号 |
04152031
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
新井 賢一 東京大学, 医科学研究所, 教授 (00012782)
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研究分担者 |
渡辺 すみ子 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (60240735)
村松 正明 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (50230008)
正井 久雄 東京大学, 医科学研究所, 助手 (40229349)
中山 直樹 東京大学, 医科学研究所, 助手 (80227967)
横田 崇 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50134622)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1992年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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キーワード | GM-CSFレセプター / IL-3レセプター / IL-5遺伝子 / シグナル伝達 / NF-KB / HTLV-Tax |
研究概要 |
サイトカインは標的細胞に多様なシグナルを誘導し、細胞の増殖や分化、生存や死などの生理活性を引き起こす。我々は、GM-CSF,IL-3をモデル系を中心としてサイトカインによって誘導される細胞内シグナルおよびサイトカイン遺伝子発現調節の分子レベルでの解析を行なっている。1)GM-CSFレセプターはα,β鎖よりなる。今回はこの両鎖によって細胞増殖および遺伝子発現を誘導する機能的レセプター複合体を血球細胞繊維芽細胞内において再構成した。そのシグナルの下流にはチロシンキナーゼが存在することを明らかにした。またレセプター以降で増殖シグナルと遺伝子発現シグナルに分離されることを示唆する実験事実を得ている。2)ヒトおよびマウスGM-CSF,IL-3遺伝子のほぼ全構造を明らかにした。またIL-3レセプターβ鎖遺伝子破壊ES細胞を相同組み替え法により作製した。これを用いてIL-3レセプターβ鎖遺伝子破壊マウスを作製中である。3)GM-CSF,IL-3遺伝子の発現調節機構の特殊性と共通性をエンハンサー交換実験を行なうことにより比較検討した。GM-CSF,IL-3遺伝子は第5染色体長腕にありわずか9キロ塩基対しか離れていないので、両遺伝子が共通の調節領域を介した制御機構があるかどうか検索中である。4)現在まで不明であったIL-5遺伝子発現調節機構の一端を解明した。IL-5遺伝子の活性化にはA-キナーゼ経路とC-キナーゼ経路の両方が必要であることを明らかにした。A-キナーゼによって発現を強く抑制されるサイトカイン遺伝子(IL-2等)もあり、シグナルがどのように分配されるか今後の検討課題である。5)サイトカイン遺伝子活性化はT細胞活性化およびHTLV-I由来Tax遺伝子に引き起こされる。Taxの直接の標的としてNF-kB前駆体p105が同定された。TaxはプロセスされたNF-kB p50を核内に増加させることを明らかにした。
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