研究課題/領域番号 |
04152043
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
春日 孟 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (40114748)
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研究分担者 |
伊藤 祥輔 保健衛生大学, 衛生学部, 教授 (70121431)
山田 一郎 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (90182518)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1992年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | 4-S-Cysteaminylphenol / 細胞致死効果 / 細胞増殖抑制効果 / ヒト悪性黒色腫 / HMV-II / B-16マウス黒色腫 |
研究概要 |
新しく開発された生体に毒性の少ない黒色腫親和性4-S-cysteaminylphenol(4-S-CAP)の腫瘍細胞致死効果の有効性の決定を目的とする。 1)本薬剤の50%致死用量(LD50)は420mg/kgである。生体に毒性の少ない4-S-CAPをB16メラノーマ担癌マウスおよびヒトメラノーマ担癌ヌードマウスに薬剤をipに接種し、腫瘍増殖抑制効果と宿主延命効果を検討した結果、4-S-CAPはマウスに移植したB16メラノーマの増殖を有意に抑制し、且つ宿主の延命効果を促進した(伊藤、1992、北川,春日他、1993)。 2)マウスを用いたB16メラノーマの人工的肺転移の実験系において、4-S-CAPの転移抑制効果はマウスを用いた人工的肺転移の実験系では薬剤投与群では対照群に比べて色素産生性黒色腫例に限って転移形成率が有意に抑制された(北川,春日他、1993)。 3)メラニン形成修飾剤(MSH,theophylline)によりB-16黒色腫細胞のメラニン代謝経路に生物学的修飾を加えた結果、本薬剤は4-S-CAPの細胞致死効果を増強した(コロニー形成法)(春日、1992)。その複合投与はチロジナーゼの活性化率に依存して、4-S-CAPの致死効果を相乗的に増強した(山田、1992)。 4)4-S-CAPのヒト黒色腫細胞(HMV-I,-II)への取り込みの速度は色素産生能の程度に依存することが明かとなった(伊藤、1991)。 5)Tyrosineおよび4-S-CAPと類似の化学構造を示すAzatyrosineはヒト黒色腫細胞およびB16マウス黒色腫細胞株の何れに対してもtransformed NIH/3T3細胞よりも有意な細胞増殖抑制効果を示し、その連続投与は細胞形態を変化させ、その変化は除去後も維持された(春日、1992)。 6)メラニン親和性をもつクロロキンはヒト黒色腫細胞を色素産生能に依存して増殖抑制効果を示した(伊藤、1992)。
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