研究課題/領域番号 |
04152062
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
塩田 浩平 京都大学, 医学部, 教授 (80109529)
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研究分担者 |
藤田 茂之 京都大学, 医学部, 助手 (50228996)
石橋 誠 京都大学, 医学部, 助手 (30232341)
森 千里 京都大学, 医学部, 助教授 (90174375)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 胎児組織 / 分化 / 発生異常 / 発がん / ヒト / ラット / ヌードマウス / 移植 |
研究概要 |
1.移植胎児組織の分化と発癌性化学物質に対する感受性:我々が開発した未分化胎児組織のヌードマウスへの移植実験系を用い、移植されたヒトとラット胎児組織の分化を観察すると共に、発がん性をもつ外因に対する移植組織の感受性を比較検討した。 人工流産ヒト胎児とラット胎児の未分化な組織を細切してヌードマウスの皮下または精巣内へ移植したところ、消化管、骨・軟骨等の組織について高い生着率が得られ、数周間以上にわたってin vivoに準ずる組織分化が観察された。宿主のヌードマウスを放射線とMNNG、cyclophosphamide等の発癌性化学物質で処理したところ、移植胎児組織に壊死、異常組織分化(組織構築異常、ロゼット形成、化生等)の異常が観察された。これらの外因に対するヒト胎児組織の感受性は、ラット胎児組織のそれよりも低かった。これまでにヒトとラットの移植組織それぞれ約30例を調べたが、がん化を示唆するような組織学的変化は認められていない。現在、更に実験例数を増し、移植胎生組織に発癌性病変を誘発し得るかについて実験を継続して、本移植系の発がん実験系としての有用性を検討している。 2.実験的肝腫瘍発生過程におけるEGF受容体の発現:雄ラットに3′^1-methyl-4-dmethylamino benzeneを混餌法で投与して肝腫瘍を誘発し、誘発腫瘍組織におけるEGF受容体の発現を免疫組織化学的学法により、経時的に調べた。その結果、誘発された腫瘍(cholangiocarcinoma)組織そのものにおいては、EGF受容体の発現に変化は見られないが、周囲の非癌腫瘍性組織でその発現が増強しており、EGF受容体の発現が肝腫瘍発生に伴う肝組織の再生と密接に関連していることが示唆された。
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