研究課題/領域番号 |
04152065
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
上田 國寛 京都大学, 医学部, 助教授 (00027070)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1992年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | ポリ(ADP-リボース) / 酵素阻害剤 / 複素環化合物 / 酵素促進剤 / カルシウムイオン / 細胞分化誘導 / テラトカルシノーマ / 癌遺伝子 |
研究概要 |
1.ポリ(ADP-リボース)シンテターゼの特異的阻害剤の発見と解析ー400種を超える有機化合物のサーベイの中から、ポリ(ADP-リボース)シンテターゼの強力かつ特異的な阻害剤を多数発見した。これらの大部分はナフタルイミドやイソキノリンなど-CONH-を芳香環に組み込んだ構造、あるいはクマリンやフラボンなど-CO-を組み込んだ構造の誘導体であった。また後者のグループ(特にノボビオシン)がアルギニン特異的モノ(ADP-リボシル)トランスフェラーゼ(ニワトリヘテロフィル由来と七面長赤血球由来の2種)に特異的な阻害を与えることを見出した。 2.ポリ(ADP-リボシル)化の促進剤の発見ーポリ(ADP-リボース)シンテターゼ活性がカルシウムなどの金属イオン、エタノールなどの有機溶媒、硫酸イオンなどの多価アニオン、1.10-フェナンスロリンなどのキレーター(Mg^<++>存在下)、Trp-P-2などのカルボリン化合物によって著明に促進されることを見出した。 3.ポリ(ADP-リボース)シンテターゼ阻害剤による癌細胞の人為的分化誘導ー1.で見出した新しい阻害剤の幾つか(4-ヒドロキシキナゾリン.アラキドン酸など)が培養テラトカルシノーマEC細胞を内皮様細胞に分化誘導することを見出した。 4.ベスナリノンのポリ(ADP-リボース)シンテターゼ阻害作用と細胞分化誘導作用の発見ー市販強心薬ベスナリノンとその誘導体に中等度の強さのポリ(ADP-リボース)シンテターゼ阻害作用があること、また、これらが上記EC細胞を神経細胞様(および神経膠細胞様)に分化誘導することを見出した。 5.ポリ(ADP-リボース)シンテターゼ阻害剤による癌遺伝子の脱落については、上記の分化誘導細胞系を用いて現在解析中である。
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