研究課題/領域番号 |
04152079
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
春日 雅人 神戸大学, 医学部, 教授 (50161047)
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研究分担者 |
門脇 孝 東京大学, 医学部, 助手 (30185889)
横野 浩一 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (50144580)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1992年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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キーワード | インスリン受容体 / EGF受容体 / PI3-キナーゼ / IRS-1 / SH-2ドメイン / SHC |
研究概要 |
インスリン受容体を介する情報伝達系に関しては、PI3-キナーゼの活性化機構について検討を行った。まずPI3-キナーゼの85Kに対するモノクロナル抗体を作製した。この抗体を用いて、CHO-IR細胞について検討した。その結果、インスリン添加により、IRS-1と呼ばれている分子量185,000の蛋白にPI3-キナーゼ活性が結合すると考えられた。その機構としては、IRS-1のチロシン燐酸化部位と想定される燐酸化ペプチドによって、IRS-1と85Kサブユニットの結合が阻害されるが非燐酸化ペプチドによっては阻害されないこと、また85KサブユニットのSH-2ドメインのみを発現するとこの部分がIRS-1と結合することにより、インスリン受容体によってIRS-1がチロシン燐酸化するとその部位をPI3-キナーゼの85KサブユニットのSH-2ドメインが認識して両者が結合すると推定された。EGF受容体を介する情報伝達系に関しては、EGF受容体の各種の変異体を作製した。これらの変異体と細胞内蛋白との結合を検討した。この中で我々はSHCと呼ばれる蛋白がEGF依存性にEGF受容体と結合すること、ある種の変異体ではこの蛋白の結合が認められないことを見い出した。SHCの結合はRas蛋白の活性化、すなわちGTP結合型Ras蛋白の増加と関係していると想定されているが、現在この点について検討中である。またEGF受容体の各種変異体とその作用との関係では、EGF受容体のキナーゼ欠損の変異体でもMAPキナーゼの活性化やチミジンのDNAへの取り込みは高濃度のEGFでは生じることを認めた。従って、EGF受容体には、高濃度ではその内在するキナーゼ活性を介さない情報伝達系も存在すると考えられる。
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