研究課題/領域番号 |
04152080
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
押村 光雄 鳥取大学, 医学部, 教授 (20111619)
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研究分担者 |
久郷 裕之 鳥取大学, 医学部, 助手 (40225131)
清水 素行 鳥取大学, 医学部, 助教授 (80130756)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1992年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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キーワード | がん抑制遺伝子 / 染色体移入 / 胃がん |
研究概要 |
高分化型胃がんにおいては1番、5番、17番染色体のLOHが認められる報告が散見されることから、がん抑制遺伝子の機能を明らかにする目的で、正常細胞由来の染色体を導入し、得られたクローンのin vitroにおける種々の細胞特性(細胞集団倍加時間)とヌードマウスにおける造腫瘍性の検索を行ってきた。1番染色体導入クローンはin vitro細胞特性に変化は認められなかったが、ヌードマウスの造腫瘍性の著しい低下が認められた。5番染色体導入クローンでは細胞集団倍加時間に変化は認められなかったが、細胞飽和密度と造腫瘍性の著しい低下が認められた。17番導入クローンについては、in vitro細胞特性および造腫瘍性にクローン間で著しく差が認められ、17番導入による共通の効果は認められなかった。5番染色体に抑制効果があることより、5番染色体上のAPC遺伝子変異の検索行なったところ、MKN28ではコドン1450のCGAがTGAに変化し、non-sense mutationおよび正常alleleの消失が認められた。5番染色体移入クローンでは3本の5番染色体が認められ、そのうち1本は染色体in situ hybridizationによりpSV2neoで標識した5番染色体であることを確認した。なおDNA解析によっても正常APD遺伝子の導入が確認された。MKN28の17番染色体上のp53は、コドン251のATCがCTCに変化する変異が認められた。17番染色体導入クローンはp53を含む短腕部位がすべてのクローンで欠失していた。5番染色体導入クローンで飽和密度の低下が認められたため、ラット3Y1細胞と同時に培養を行ったところ、5番染色体導入クローンにおいてのみコロニーの著しい低下が認められた。その他、子宮内膜がん細胞株においても同様の染色体導入実験を行ったが、1番及び18番染色体導入により細胞老化が認められた。以上の結果は、1番染色体、5番染色体および17番染色体上には異なる機能をもつがん抑制遺伝子が存在する事を示唆する。
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