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絨毛癌化の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 04152087
研究種目

がん特別研究

配分区分補助金
研究機関九州大学

研究代表者

和氣 徳夫  九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (50158606)

研究分担者 今村 利朗  九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (10221095)
宮本 新吾  九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (40209945)
加藤 秀則  九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (60214392)
研究期間 (年度) 1992
研究課題ステータス 完了 (1992年度)
配分額 *注記
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1992年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
キーワード絨毛癌 / 癌抑制遺伝子 / 微小核融合 / 絨毛分化誘導遺伝子 / EC細胞
研究概要

絨毛癌の約半数は胞状奇胎に由来する。胞状奇胎は1精子受精或いは2精子受精雄性発生を原因とするため、対立遺伝子間でのホモ接合の形成さらには父親由来ゲノムの選択的継承という遺伝的特徴を有する。これらの特徴は、胞状奇胎の高率な悪性化傾向と癌抑制遺伝子のど不活化との関連を示唆する。このため本研究では絨毛癌細胞(CCI)の造腫瘍性抑制に関わるヒト染色体の同定を行った。微小核融合法に基づき正常単一染色体の移入を絨毛癌細胞へ行った結果1、2、6、9、11番染色体単一移入クローンでは親CCI細胞と同様の造腫瘍性及び増殖特性を示したのに対し、7番染色体単一移入クローンでは、腫瘍形成の抑制、足場非依性増殖の抑制及び細胞倍加時間の延長が観察された。このためヒト7番染色体上には絨毛癌細胞の増殖及び造腫瘍性の抑制に関与する優性な遺伝子の存在することが示唆された。さらに本研究はヒト7番染色体上にマウスF9細胞を分化誘導する遺伝子の存在をも示唆した。ヒト7番染色体の移入により、F9細胞は腫瘍細胞形質の消失及び増殖遅延の他に合胞体絨毛細胞に類似した形態に変化した。分化関連マーカーの発現パターンは内胚葉細胞のそれに一致した。以上からヒト7番染色体上には絨毛癌抑制遺伝子及びEmbryonal carcinoma細胞の分化誘導に関与する遺伝子群の存在が示唆された。このため両遺伝子のフィジカルマップ作成等の興味ある問題の解決することが今後重要で、遺伝子クローニングが急務と考えられた。
絨毛癌は低頻度ながら正常妊娠や流産にも続発する。このためいかなるタイプの妊娠がいかなる頻度で癌化するかを明らかにすることは、絨毛癌化の分子機構を理解する上で重要である。本研究ではPCR法を利用したパラフィン包囲切片からDNA多型解析を行う方法を開発し、日本における絨毛癌症例集積の困難性を克服した。

報告書

(1件)
  • 1992 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] H.Kato,J.Nishida,T.Honda,Y.Fujinaga,K.Fujinaga,N.Wake: "Chromosome alterations contributed to neoplastic progression of transformed rat embryonal fibroblasts." Cancer Genetics and Cytogenetics. 58. 39-47 (1992)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] T.Imamura,T.Arima,H.Kato,S.Miyamoto,T.Sasazuki,N.Wake: "Chromosomal deletions and K-ras gene mutations in human endometrial carcinomas." International Journal of Cancer. 51. 47-52 (1992)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] T.Honda,H.Kato,T.Gima,J.Nishida,M.Sasaki,T.Imamura,N.Wake: "Involvement of p53 gene mutations in human endometrial carcinomas." International Journal of Cancer. 54. 1-5 (1993)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] M.Sasaki,H.Yamada,Barrett,J.C.Wake,N,Oshimura,M: "Normal human chromosome 7 carries a putative suppressor gene(s)for a human choriocarcinoma cell line." Oncogene,in press.(1993)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] 和氣 徳夫,村上 章: "アンチセンスオリゴDNAを用いた癌遺伝子治療の開発" オンコロジア. 26(1). 113-115 (1992)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書

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公開日: 1992-04-01   更新日: 2016-04-21  

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