研究概要 |
M12.C3細胞にA<k/β>/A<k/α>分子を発現させたトランスフェクタント及び,そのクラスII分子変異株を得て,これらを刺激細胞としたMLRを行なった.その結果,A_β59番目のGlu-Asp置換による変異でアロ抗原刺激能が強く亢進することが明らかになった.A_β64番目のGln-Pro,Glu-Arg,A_β70番目のArg-Gln置換では親株と変化がなかった.さらに多種類の機能的変異株を得るために以下の様な実験を行なった.M12.C3リンフォーマ細胞にA<z/β>遺伝子(pCEXVA<z/β>)を遺伝子導入し,トランスフェクタントTA<z/β>を作成した.導入したA<z/β>遺伝子の発現(M12.C3の内因性のA<d/α>と会合してA<z/β>/A<d/α>クラスII分子を形成)を2次元電気泳動解析,フローサイトメトリー解析にて確認した.また,このA<z/β>/A<d/α>分子に反応するT細胞クローンをB/WF1マウスから作成した.突然変異誘導体(EMS)を用いてTA<z/β>トランスフェクタント細胞から変異細胞株を作成した.そのトランスフェクタント細胞の抗原提供能力およびクラスII分子の発現を,T細胞クローンおよびモノクローナル抗体を用いて解析した.その結果,(1)クラスII分子発現のない細胞,(2)クラスII分子発現は正常であるがT細胞刺激能のない細胞,(3)クラスII分子発現は正常であるが,T細胞刺激能が亢進している細胞等の変異株が得られた.これらの細胞のクラスII分子の変異部位とその塩基配列ならびに自己およびアロT細胞に対する刺激能を検討中である.
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