研究課題/領域番号 |
04152103
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
森 道夫 札幌医科大学, 医学部, 教授 (00045288)
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研究分担者 |
沢田 典均 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30154149)
榎本 克彦 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (20151988)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1992年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 肝癌 / 肝炎 / 発癌プロモーター / 発癌機構 / 疾患モデル / LECラット / 銅 |
研究概要 |
1.低銅飼料によるLECラット肝炎の抑制 LECラットは、慢性肝炎を伴って全例に肝癌の発生をみることから、肝癌の発生機序を解析し、肝癌克服の方策を探る疾患モデルとして注目される。最近LECラットの肝炎(肝細胞障害)が、大量の銅蓄積によっておこることが明らかにされた。我々は肝臓の銅が食餌に由来し、排泄障害によって肝細胞内に蓄積することをつきとめたので、食餌中の銅量を変化させて肝炎を抑制する条件の設定を試みた。 その結果、生後3ヶ月令から0.05mg/100gの低銅飼料で飼育することによって、肝炎の発生が完全に抑制された(肝炎0/15匹)。一方逆に、肝炎発症前のLECラットに銅を負荷すると、全例肝炎を発症した。これらの結果から、LECラットの肝災発症は銅量で調節し得ることが明らかになった。 2.肝炎の抑制による肝前癌病巣の抑制 そこで、低銅飼料によってLECラットの肝炎の発症を抑制した肝炎(-)LECラットと、通常(0.8mg/100g)飼料で肝炎をおこした肝炎(+)LECラットの肝臓に出現するGST-P陽性細胞巣を比較した。その結果、肝炎(-)群ではGST-P陽性巣が有意に少なく(0.07/cm^2vs3.8/cm^2)、肝炎がinitiated cellの増殖を促すプロモーターとして働いていることが強く示唆された。 3.肝炎と発癌物質高感受性の分離 LECラットは化学発癌物質に対して高い感受性を示す。LECと他の系統との交配実験によって、高感受性は肝炎と異なる遺伝子形式をとること、高感受性は肝炎遺伝子(hts)と異なる遺伝子によって支配されていることが示唆された。この結果は、肝炎のプロモーション作用を解析する上で重要と思われる。
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