研究課題/領域番号 |
04152106
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
宮崎 香 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助教授 (70112068)
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研究分担者 |
安光 英太郎 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助手 (10182346)
梅田 誠 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 教授 (70045996)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1992年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | セリンプロテアーゼ / 胃癌 / 浸潤 / 転移 / トリプシン / メタロプロテアーゼ / プラスミン / カリクレイン |
研究概要 |
多くの研究によって癌の浸潤・転移における種々のマトリックス分解性メタロプロテアーゼ(MMP)の重要性が指摘されている。しかし、MMP以外のプロテアーゼについてはほとんど研究されていない。最近、私達は、数種のヒト胃癌細胞株が、強いマトリックス分解活性をもつ複数種の3種のセリンプロテアーゼを分泌することを見出している。そこで、本研究ではこれらの酵素のの生化学的性質と作用をしらべた。 1)STKM-1胃癌細胞の培養液から3種のセリンプロテアーゼを精製した。これらのうち、トリプシン様酵素はSDS電気泳動によって4本のバンドを示した。部分一次構造の解析からこれらは膵臓型トリブシノーゲン1(26k、24k)とその活性型(25k,23k)であり、そのうち26kと24kの酵素は限定分解を受けて生じた2本鎖型であることが判明した。精製酵素はファイブロネクチン、ラミニンなどの細胞接着性蛋白質を強く分解した。しかし、2本鎖型は1本鎖型に比べて弱い活性をしめした。また、他の2種のセリンプロテアーゼは免疫学的性質から、プラスミンと組織型カリクレインと同定された。2)23種のヒト癌細胞についても調べた結果、半分以上の細胞がプラスミンとトリプシン1を不活性前駆体として分泌することを見いだした。それらの分泌は培養のpHを弱酸性(5.9-6.8)にすることによって著しく促進された。4)STKM-1細胞はinvitroで基底膜浸潤性をしめした。また、同細胞をscidマウスの腹部に注射すると肝臓、膵臓などの臓器に強く浸潤することが分かった。 以上の結果から、ある種の癌細胞ではトリプシン、プラスミン、カリクレインなどのセリンプロテアーゼが癌細胞による直接的な組織破壊に機能していると思われる。さらに、これらのセリンプロテアーゼは多くのMMP前駆体を効果的に活性化することから、MMP前駆体の活性化因子として機能している可能性がある。
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